ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

マーカス・デュ・ソートイ 富永 星 訳 「素数の音楽」

素数の音楽 (新潮文庫)

素数の音楽 (新潮文庫)

マーカス・デュ・ソートイ 富永 星 訳 「素数の音楽」


第四章 <リーマン予想 でたらめな素数から秩序だったゼロ点へ> メモ

ゼータ関数は4次元の風景で表される。

ゼータ関数に入れる虚数の各係数を追跡するための次元が二つ、三つ目と四つ目の次元で
 関数がとる値を表す虚数の二つの係数を記録する。


ゼータ関数に入れる数の位置を示すには、二次元の虚数地図を使う。
・南北が虚数軸、東西が実軸。


ゼータ関数の風景の形状は非常に厳格で、この風景を拡張する方法は一つしかない。
 ⇒この風景のほんのわずかな部分を地図にできれば、残りも再現できる。


・この風景が二次元の虚数地図のどこで海抜ゼロになっているか、その点がつきとめ
 られれば、風景全体のすべてを再現できる。

ゼータ関数のゼロ点は、いわば化学合成物が発するスペクトルのようなもの。


・リーマンは、この風景のゼロ点の係数に基づいて、1からNまでのあいだの素数の個数を
 求める正確な公式を作り上げた。


虚数の風景のゼロ点がゼータ関数の力によってそれぞれ独特の波に変わる。
・それぞれの波の特徴は、その波に対応するゼロ点の位置によって決まる。
・ゼロ点の位置が北にあればあるほど、対応する波はこまかく振動する。


・このさまざまな高さの波こそが、素数の個数に関するリーマンの評価の誤差を修正する鍵。


・リーマンの公式は関係と変換の式
・「素数=ゼロ点=波」


 素数ゼータ関数の風景を作り出す

  ↓

 その風景のゼロ点が素数の秘密の鍵を握っている

  ↓

 ゼロ点のひとつひとつが音符のように波を作り出す

  ↓

 これらの波を使って素数の個数を求める方法を示すことができる


・リーマンがゼータ関数の風景のゼロ点から作り出した波のおかげで、それまで隠れていた
 素数の調和的な構造が見えてきた。

・リーマンが作った架空の世界から単純な波が生まれ、それらが集まったとき、はじめて
 素数のハーモニーを再生できるようになった。

ゼータ関数の風景のゼロ点から作り出した波は、音叉の音のような純音で、基本となる
 これらの音を一斉に奏でたときに素数の音色が再生される。


リーマン予想
・ゼロ点はすべてが南北に走る一本の直線の上に載っている。
・ゼロ点の座標:(1/2, 14.134725...)、(1/2, 21.022040...)、(1/2, 25.010856...)、
 ↓
ゼータ関数の作る風景のゼロ点はすべて東西の座標が1/2の直線上にのっているだろう」

・現実世界での素数のでたらめさの謎を解き明かす作業は、鏡の向こうの虚の風景の調和の
 謎を解き明かす作業へ変わった。