- 作者: マーカスデュ・ソートイ,Marcus du Sautoy,冨永星
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/09/28
- メディア: 文庫
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マーカス・デュ・ソートイ 富永 星 訳 「素数の音楽」
第十一章 <秩序だったゼロ点から量子カオスへ> メモ
・ヒュー・モンゴメリーは、ゼータ関数のゼロ点がリーマンの線上にどのように並んでいる
かという問いに導かれ、驚くべきパターンを見つけた。・素数と違い、ゼロ点は群れることがなく、リーマンの線上に完全に均一に散らばっている。
・エルビウムの原子核のエネルギー準位の間隔は、ゼロ点の間隔の分布を表すグラフと似て
いた。・重い原子核の量子的エネルギー準位に潜む数学がリーマンのゼロ点の位置を決めている。
・量子物理学は、原子より小さい粒子が持つ「波動と粒子の二重性」を説明するために
生まれた。・励起された電子は新たな振動数で振動し、元素の周期表にある原子にはそれぞれ固有の
振動数の組が決まっていて、原子内の電子はその振動数で振動する傾向がある。・微視的な世界では観測者と測定対象は独立ではない。
・われわれが量子の世界を観測するまでは、量子の世界は虚数の世界にのみ存在し、
観測行為によって虚の世界が崩れて実世界に現れる。
・原子核のエネルギー準位の統計量の特徴が、モンゴメリーのゼロ点のグラフにも
現れていた。
・素数の振る舞いをもっともよく表す物理モデルはカオス的な量子系。
・リーマン予想が正しいとすると、リーマンのゼロ点の裏には、単なる量子系ではなく、
古典領域に対応物をもつような、まずまず簡単ではあるがカオス的ふるまいをする
量子系がある。・リーマンのゼロ点がある種の振動だという証拠があるにもかかわらず、その振動を
起こしているものの正体は未だにわかっていない。