- 作者: ファインマン,坪井忠二
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1986/01/08
- メディア: 単行本
- 購入: 8人 クリック: 165回
- この商品を含むブログ (64件) を見る
第17章 時空の世界 メモ
17-1 時空間の幾何学
・ローレンツ変換には位置と時間がまじりあっている。
・空間測定と時間測定の間に差があるが、その差により新しい空間測定が生ずる
・時空間:対象をある”粒”とし、位置を占め、ある長さの時間をとるような
幾何学的存在・事象:点(x,y,z,t)
17-2 時空間におけるインタバル
・時空間で不変なものは
c^2t^2−x^2−y^2−z^2
で、変換の前後で変わらない
c^2t'^2−x'^2−y'^2−z'^2=c^2t^2−x^2−y^2−z^2
・これを時空間における2点間のインタバルという。
・時間と空間とは自然界において同格で、時間は空間にもなる
・時間も空間も同じ単位で測られなければならない
・1秒の距離は光が1秒に進む距離
・インタバルは実数にも虚数にもなる
・インタバルが虚数である場合、2点の間のインタバルは空間的であるという
・二つのものが一つの座標系で同一の場所にあり、時間が違う場合、時間的な
インタバルという
17-3 過去、現在、未来
・我々は”ただいま”に影響を与えることはできないが、”ただいま”は後に我々
に影響を与えうる。・”ただいま”は我々に固有の座標系からみて”同時に”という意味
・運動している別の観測者は、我々の座標軸に対して斜めの座標軸を使い、彼の
”ただいま”は我々の”ただいま”とは違う。・同時ということがきちんと一つにきまるものではない
17-4 ふたたび4元ベクトルについて
・座標と同じように変換する量をいっしょにまとめて、有向量のベクトルをつくる
と便利
・運動量の3成分、それて時間成分としてエネルギーをとると、それらはいっしょ
になって”4元ベクトル”と称するものになる
・4元ベクトル運動量
px'=(px−uE)/√(1−u^2)、
py'=py、
pz'=pz、
E'=(E−upx)/√(1−u^2)
17-5 4元ベクトル代数
・相対論で運動量保存の法則を完全なものにするためには、時間成分をも含ませ
なければならない。・エネルギーの保存と運動量保存がいっしょになって、時空間の幾何学の4元ベク
トル関係を成り立たせる。
・エネルギーと運動量の保存の方程式は
Σ[入粒子]pu=Σ[出粒子]pu
あるいは、
Σ[i]piu=Σ[j]pju
i=1、2、・・・ :衝突に入ってくる粒子
j=1、2、・・・ :衝突で出てくる粒子
u=x、y、zまたはt
・どんな軸を使ってもこの法則は各成分について成り立つ
・4元ベクトルのスカラー乗積
Σ’AuAu=At^2−Ax^2−Ay^2−Az^2
・一つの光子のエネルギー:E=hν
・光子の運動量:p=λ/h
・振動数と波長の関係:ν=c/λ
・光子のエネルギーはcに運動量をかけたものであり、もしもc=1ならば
エネルギーと運動量は等しく、静止質量はゼロ・静止質量がゼロの粒子は、決して止まらず、光の速さで進むことで永久にエネ
ルギーをもっている