ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

ワープする宇宙

リサ・ランドール/監訳 向山信治 訳 塩原通緒 「ワープする宇宙」メモ  

リサ・ランドール  監訳 向山信治 訳 塩原通緒
「ワープする宇宙」メモ


Ⅴ部 余剰次元宇宙の提案

第18章
おしゃべりなパッセージー余剰次元の指紋
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【まとめ】
・カルツァークライン粒子:高次元生まれでありながら、我々の目には四次元時空での追加の粒子と映る新たな粒子
余剰次元運動量は四次元世界においては質量として表れるため、KK粒子の質量は高次元幾何がどのようなものかで決まり、その荷量は四次元粒子と同じ。
・ゼロではない余剰次元運動量をもつ重いKK粒子が見つかれば、余剰次元の最初の物理的証拠となる。
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●カルツァークライン粒子
・バルク粒子の移動しているところが高次元空間だとしても、その性質と相互作用は四次元の言葉で記述可能。
・高次元空間で生まれた粒子は、その粒子が三つの空間次元を移動しているようにしか見えない。
・カルツァークライン粒子:高次元生まれでありながら、我々の目には四次元時空での追加の粒子と映る新たな粒子

・カルツァークライン粒子は高次元粒子の四次元での表れ。
・高次元粒子のふるまいは、高次元粒子を適切なKK粒子に置き換えて再現可能。
・KK粒子には高次元粒子の特徴と、高次元粒子が移動する高次元幾何の特徴がすべて表れている。


・KK粒子は余剰次元での運動量をもつ。
・KK粒子は特定の高次元粒子を模するのに必要な、正しい運動量と相互作用を備えていなくてはならない。

・四次元記述には、余剰次元での位置や運動量についていの情報は含まれない。
余剰次元運動量は四次元世界においては質量として表れる。
・KK粒子の質量は高次元幾何がどのようなものかで決まる。
・KK粒子の荷量は、四次元粒子のそれと同じ。


●カルツァークライン粒子の質量を確定する
・ブレーンのない宇宙を考える。
・すべての粒子が基本的に高次元粒子で、どの方向にも自由に移動可能。
余剰次元が一つだけの空間を想像する。
・この余剰次元は小さな円に巻き上げられていて、空間内では素粒子が自由に移動している。
・KK粒子に高次元粒子の運動量と相互作用を再現させるのは量子化された運動量のみ。
・KK粒子の量子化された余剰次元運動量は、余剰次元の大きさと形状で決まる。
・四次元世界では、KK粒子のもつ余剰次元運動量が、独特なパターンをもったKKK粒子の質量のように見える。


量子力学では、すべての粒子を波に関連づける。
余剰次元では、巻き上げられた円周を整数回振動する波しか生じない。
・生じうる波を確定し、量子力学を用いて波長を運動量に関連づける。
・運動量からKK粒子のもちうる質量を導く。


・まったく振動していない波の確率波は、余剰次元のどこでも同じ値をとる。
・これに関連づけられたKK粒子は、余剰次元のどこか特定の位置をそれ以外と区別しない。
・この粒子は余剰次元運動量がゼロで、質量が加えられることはない。
→最も軽いKK粒子は、この余剰次元での一定の確率値に関連づけられた粒子となる。
・低エネルギーでは、これが唯一出現可能なKK粒子。
・この粒子は余剰次元での運動量も構造ももたないため、同じ質量と荷量を備えた通常の四次元粒子と区別がつかない。
・低エネルギーでは、我々の宇宙ともっと次元の多い宇宙との違いを示す別のKK粒子が生み出されない。
・低エネルギー過程と最軽量のKK粒子は余剰次元の存在についてなにも教えてくれない。


・宇宙に別の次元があり、粒子加速器が必要なだけの高エネルギーを実現できたら、もっと重いKK粒子も生み出される。
・このゼロではない余剰次元運動量をもつ重いKK粒子が見つかれば、余剰次元の最初の物理的証拠となる。


・充分に高い余剰次元運動量と質量をもつ粒子だけんが、余剰次元の存在を感知できる。
・KK粒子の運動量が、余剰次元が大きくなればなるほど小さくなる。
余剰次元は大きい方が突き止めやすく、観測可能な証拠が得られやすい。


●実験上の制約
余剰次元が大きければ大きいほど、粒子の質量は小さくなる。
・大きな次元ほど軽いKK粒子を生み出すので、KK粒子の質量の下限は巻き上げられた余剰次元の大きさの上限を定める。
余剰次元の大きさの上限は、ウィークスケール長さのおよそ10分の1に相当する。
プランクスケール長さに比べればはるかに大きい。
余剰次元が仮にプランクスケール長さよりも大きかったとしても、検出を逃れてきた可能性もある。