ローレンスクラウス 「偉大なる宇宙の物語」メモ
ローレンス・クラウス 「偉大なる宇宙の物語」メモ
第6章 現実の影
・とても小さなスケールでは、自然のふるまいが人間の直感では受け入れがたいものになる。
・そのふるまい自体を直接的に感知することはできない。
→量子力学を理解している人間は誰もいない
・われわれが感知する表面上の世界は、われわれが観測する現象の根底にあるプロセスの重要な側面を隠している。
・量子の世界(極小スケール、極小時間)では、巨視的な物体の古典的ふるまいが崩れ去る。
・小さなスケールでは、物体は多くの異なる古典的ふるまい、および古典的には許されないふるまいも、同時に経験する。
<二重スリットの実験>
・二つのスリットを通った光は、スリットの出口で互いに干渉し、明暗の縞模様を形作る。
・電子流を二重スリットに通すと、光と同様に干渉する。
→電子は粒子でありながら、光の波と同じようにふるまう。
・電子1個を二重スリットに通しても干渉が起こる。
・電子は個々に自らと干渉しあっている。
・この干渉は、1個の電子がスクリーンの各点に突き当たる確率を表す。
・それぞれの電子が1つの軌道をとるのではなく、多くの異なる軌道を同時にとっていて、そのうちいくつかの軌道が一方のスリットを抜け、また別のいくつかの軌道がもう一方のスリットを抜けているとみなす。
・電子がどちらのスリットを通ったと確実に言うことができない。・電子がどちらのスリットを通ったのかを観測(測定)すると、干渉は起きない。
→系の測定はそのふるまいを変えられる。・測定されていないときの電子が、良識的な古典的なふるまいをすることを実際に実証できる実験は存在しない。
・電子のような量子の波動性は、「波動関数」を割り当てることで表現される。
・波動関数は、ある任意の1点に電子が見つかる確率を記述するもの。
・多くの異なる点で波動関数がゼロでない値をとるならば、その電子の位置は、実際にその位置が測定されうる以前には特定できない。
・測定がなされる以前は、電子が実際にある特定の点に局所化されない可能性がゼロでない確率である。・測定と測定のあいだに何が起こっているのかについて、いくら「合理的」な古典的な見方をしても、それはデータと一致しない。
・光源が弱い場合、光が波ではなく、粒子だった場合に見られるようなパターンが現れる。
・光はどういう状況で測定されるかにより、粒子のようにも波のようにもふるまう。
・光の個々の粒子は、光子と呼ばれる。
<プランク定数>
・光は、ある最小エネルギーの「塊」でしか放出されない。
・その放射は振動数に比例し、エネルギーと振動数を関連づける定数がプランク定数。
・波により運ばれるエネルギーは、単にその波の振動の大きさと関連づけられ、振動の大きさはゼロから連続的に変化できる。
・ある任意の振動数の光の波というかたちで発せられるエネルギー量には、絶対的な最小値がある。
→エネルギー量子
<光電効果>
・金属の表面に当たった光は、金属の原子から電子を叩きだし、電流を発生させる。
・光の強度がどれほど大きくても、その光の振動数が一定の限界よりも低ければ、電子は放出されない。
・その限界値よりも振動数が大きくなったとき、光電効果による電流が発生する。
・金属に入射する光は最小エネルギーの塊(量子、光子)でり、そのエネルギー量が光の振動数に比例している。
E=hν