ユヴァル・ノア・ハラリ 「サピエンス全史」メモ
ユヴァル・ノア・ハラリ 「サピエンス全史」メモ
第2部 農業革命
第8章 想像上のヒエラルキーと差別
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【まとめ】
・想像上の秩序により、人々はヒエラルキー(男⇔女、白人⇔黒人・先住民、富者⇔貧者)を成す、架空の集団に分けられた。
・社会的な差異の形成は想像上のヒエラルキーの影響を受け、偶然に端を発する悪循環から逃れられない。
・男らしさ・女らしさを定義する法律や規範、権利、義務の大半は、生物学的な現実ではなく人間の想像を反映している。
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・人類は大規模な協力ネットワークを維持するのに必要な生物学的本能を欠いているのに、自らをどう組織してそのネットワークを形成したのか。
→①想像上の秩序を生み出した
②書記体系を考案した
・想像上の秩序は、中立的でも公正でもない。
・秩序により、ヒエラルキーを成す、架空の集団に分けられた。
・上層人は特権と権力を享受し、下層人は差別と迫害に苦しんだ。
・ヒエラルキーの例
男性と女性、白人と黒人・先住民、富める者と貧しい者
・想像上のヒエラルキーは虚構を起源とすることを否定し、自然で必然のものであると主張するのが歴史の鉄則。
・差別と訣別できた大型社会はない。
・人々を想像上のカテゴリーに分類することで何百万人もの人々の関係を調整し、社会秩序を生み出してきた。
・ヒエラルキーは、他人同士が個人的に知り合うために必要とされる時間とエネルギーの節約になる。
・社会的な差異の形成は、想像上のヒエラルキーの影響を受ける。
①能力を育み伸ばす機会は、社会のヒエラルキーのどの位置にいるかできまる。
②違う階級の間では、異なるルールで勝負しなければならない。
★悪循環
・ヒエラルキーは偶然の歴史的事情に端を発する。
・さまざまな集団の既得権がそのヒエラルキーに基づいて発達するのに足並みを揃え、何世代もの間に洗練され、不滅のものとなる。
・不正な差別は改善されるどころか悪化することが多い。
・歴史の犠牲になった人々は、再び犠牲にされやすい。
<悪循環>
偶然の歴史上の出来事
↓
白人による黒人の支配
↓
差別的な法律 ←|
↓ |
黒人の貧困と、教育の不足 ←|
↓ |
文化的偏見ーーーーーーー|
★男女間の格差
・男らしさや女らしさを定義する法律や規範、権利、義務の大半は、生物学的な現実ではなく人間の想像を反映している。
・農業革命以降、ほとんどの社会は、家父長制だった。
・家父長制は普遍的なので、偶然の出来事が発端となった悪循環の産物のはずがない。
・多くの社会が家父長制である理由が何なのかはわからない。