小林晋平 「ブラックホールと時空の方程式」メモ
小林晋平 「ブラックホールと時空の方程式」メモ
第8章 ブラックホール解を導く ~アインシュタイン方程式とシュヴァルツシルト解~
8.1 アインシュタイン方程式
・アインシュタイン方程式の具体的な形
Gμν = (8πG/c^4)Tμν (8.1)
8.2 シュヴァルツシルト解
ds = -(1-2GM/c^2r)d(ct)^2 + dr^2/(1^2GM/c^2r) + r^2(dθ^2 + sin^2θdφ^2) (8.41)
8.3 シュヴァルツシルト解を読み解く
・次式のrの値で線素のdr^2の係数が発散する。
r = 2GM/c^2 (8.429
・この半径がシュヴァルツシルトブラックホールの半径であり、ブラックホール内部と外部の時空を分けている。
・この境目をホライゾン(地平線、水平線)と呼ぶ。
・線素(世界間隔)ds^2がds^2=0となるとき「光的」、ds^2<0となるとき「時間的」、ds^2>0の場合を「空間的」であるという。
・ブラックホールに吸い込まれると、どこか一定の半径のところにとどまることはできず、その中心に向かい吸い込まれ続ける。
・r=2GM/c^2は座標特異点。
・パンルヴェ-グルストランド座標を使うと座標特異点を取り除ける。
ds^2 = -f(r)d(ct~)^2 + 2√(2GM/c^2r)d(ct~)dr + dr^2 + r^2(dθ^2 +sin^2θdφ^2) (8.56)
・ブラックホール内部では光は内向きにしか進めない。
・自由落下する観測者が見ると、ちょうどホライゾンのところで光は止まってしまい、外へ出ることがない。
・自由落下していく観測者から見て光の速度がゼロまたは負なので、ホライゾンのところでは観測者と同じように光は自由落下していて、それより内側では自由落下する観測者よりも大きな速度でブラックホール中心に落ち込んでいる。
・式(8.56)の右辺第2項で、d(ct~)drの前に√(2GM/(c^2r)という係数があり、この項はr=0で発散する。
・この発散は物理的に意味のある真の特異点。
・シュヴァルツシルトブラックホールの中心には、特異点が存在している。