ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

驚異の量子コンピュータ

藤井啓祐 「驚異の量子コンピュータ」メモ  

驚異の量子コンピュータ: 宇宙最強マシンへの挑戦 (岩波科学ライブラリー)
 

 

 量子コンピュータについて、ぼんやりと概念的なことしか知らないので、本を読んでみることにした。

藤井啓祐 「驚異の量子コンピュータ」メモ

 

第Ⅰ部 物理学とコンピュータの歴史

1章 量子力学の誕生

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【まとめ】
量子力学では、「粒子が必ずここに存在する」という考え方を諦める。
・粒子の測定を行わない限りその位置は不確定で、ぼんやり空間的な広がりをもつ曖昧なもの。
 ⇒「可能性の波」として伝わる。
・量子に関する重要な三つの性質
 ①重ね合わせの原理
 ②波動性
 ③波束の収縮
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古典力学
・「粒子の運動」と「波の運動」を説明する二つの重要なルール
 ニュートン運動方程式
 万有引力の法則
 電磁気学


<二重スリットの実験>
・「粒子」と「波」は古典力学では別物。
量子力学では、それらはもっと超越した何かの別の側面だと考える。
・ある条件では粒子としての性質が顔を出し、またある条件では波としての性質が顔を出す。
・ネッカーの立方体との類似で、二つの性質を同時に見ることはできない。


・電子銃から出てきた電子の軌道を見たものはいない。
・電子が飛んでいる間、本当に粒子だったという証拠はない。
・電子が飛んでいて二重スリットを通過するときには波としてふるまい、光のように干渉し縞々がスクリーンに現れる。


<物質(粒子)と波の統一>
・電磁波のエネルギーには最小単位がり、飛び飛びの値をとる。
・エネルギーの最小単位は量子と呼ばれる。
・波にも粒々の粒子のような性質がある。
・物質も波である:物質波の概念


量子力学
ハイゼンベルク行列力学シュレーディンガー波動力学
 →粒子と波を統一した「量子力学」の誕生。
古典力学では、「量子」のもつ粒子と波動の二つの性質のうち、片方の性質だけしか見えていなかった。


<量子の性質>
・電子が粒子であるならば、二重スリットのどちから一方を通過するはず。
・スリットを通過する瞬間に、電子がどのようなふるまいをしているかは、直接見ることはできない。
・一つの電子が最後までどのように進むかを追跡できない。
 →技術的問題ではなく、量子力学の根幹の関わっている。


量子力学では、「粒子が必ずここに存在する」という考え方を諦める。
・どこに粒子がいるか確認しない限り、粒子の位置は確定せず、ぼんやり空間的な広がりをもつ曖昧なものと考える。
・「粒子がどの位置にどれくらい存在しそうか」という可能性の大きさが波に対応していると考える。
・重ね合わせの原理:いろいろな位置に粒子が存在する可能性が重なっている。
・発射時は一つの電子でも、発射後はぼんやりと広がりをもち、いろいろな場所に存在する、「可能性の波」として伝っていく。
・可能性の波は、右のスリットも左のスリットも通過することができる。
・右スリットを通過する粒子と左スリットを通過する粒子の可能性が波として重ね合わさり、干渉縞ができる。
・どこに電子がいるのかを覗き見した瞬間に可能性が収縮し、一つの粒子のように検出される。


<量子に関する重要な三つの性質>
①重ね合わせの原理
・覗き見る(観測する)までは、電子の居場所が確定せず、曖昧にいろいろな可能性が重ね合わさっていること
②波動性
・可能性は波としてふるまうため、干渉して強め合い、弱め合う。
③波束の収縮
・スクリーン上で電子の位置を観測すると可能性は収縮し一粒の粒子になる。