ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

不確実性を飼いならす:予測不能な世界を読み解く科学

イアン・スチュアート  著 徳田 功 訳  「不確実性を飼いならす」メモ  

 

イアン・スチュアート著 徳田 功訳
「不確実性を飼いならす 予測不能な世界を読み解く科学」メモ

 

4 コイン投げ
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【まとめ】
・異なるn個の集合からr個を選ぶ組み合わせの総数は n!/r!(n-r)! で与えらえる。
・ x + y のべき展開した係数と順列組み合わせ問題には関係がある
・コイン投げは決定的な力学的プロセスで、ランダムネスを作り出すのはコイン投げをする人間。
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・ベルヌーイ試行:二つの結果が出るゲームを繰り返す(例:表か裏が出るコイン投げ)
・順列・組み合わせとして知られる数え上げの公式を用いて答えた。
代数学の2項定理
 2項からなる式 x + y をべき展開する問題と組み合わせが関係する。

 (x + y)^4 = x^4 + 4x^3y + 6x^2y^2 +4xy^3 + y^4

の各項の係数は組み合わせで表される。


大数の法則:膨大な試行を行うとき、特定の事象が起こる回数は、試行回数にその事象が起こる確率をかけたものに非常に近くなる。
・実験の背後に存在する確率を、割合を用いて推定することが、大数の法則で理論的に正当化できる。


★表と裏の系列を並べる
・10回コインを投げて、表(○)と裏(●)が出た結果。

    ●○●●●○●○○●

・この系列には4つの表と6つの裏がある。
・4対6の比率の結果が出る確率はいくつか?

・最初のコイン投げ:1/2の等しい確率で○か●が出る。
・最初の2回のコイン投げ:○○、○●、●○、●●のうちのどれかが出る。→それぞれの起こる確率は1/4
・最初の3回のコイン投げ:それぞれの起こる確率は1/8
・最初の4回のコイン投げ:それぞれの起こる確率は1/16
・表の出る回数に従い、何通りの系列があるかリストを作る。

0回 1通りの系列 ●●●●
1回 4通りの系列 ○●●●、●○●●、●●○●、●●●○
2回 6通りの系列 ○○●●、○●○●、○●●○、●○○●、●○●○、●●○○
3回 4通りの系列 ○○○●、○○●○、○●○○、●○○○
4回 1通りの系列 ○○○○


・10回のコイン投げの例の最初の4回は●○●●であり、○が出たのは1回だけ。
・○が1回でるのは、16ある可能性のうち4通りの系列
 →確率は4/16 = 1/4
・○が2回、●が2回出るのは、6通りの可能性なので、確率は6/16 = 3/8
・表と裏は等しい確率で出るが、表と裏が2回ずつ出る確率は1/2より小さい。


★順列と組み合わせ
・順列:いくつかの記号や物を順番に並べる方法。
・A、B、Cという記号の並べ方は6通りある。

 ABC,ACB,BAC,BCA,CAB,CBA

・並べ方の総数は

 3!=3x2x1=6


・6つの文字A、B、C、D、E、Fから任意の4文字を並べる方法が何通りあるか。
・4文字を並べる方法

    6 x 5 x 4 x 3 = 360

        6 x 5 x 4 x 3 x 2 x 1/(2 x 1) = 6!/2! = 720/2 = 360


・52枚のカードから13枚を選び出す方法の総数(52枚から13枚を選ぶ組み合わせの総数)

    52!/13!39! = 52!/13!(52-13)!

 

・代数演算:異なるn個の集合からr個を選ぶ組み合わせの総数

    n!/r!(n-r)!


・2項係数:(x + y)^4を展開した各項の係数は1、4、6、4、1で、これはコイン投げを4回行い、表が出る回数が0回、2回、3回、4回になる並べ方の総数と同じ。


★コインとサイコロの確率分布
・コインを10回投げたときの1024通りの○と●の系列
・○が4回でる系列は210通りある。
・4つの○が現れる位置は1、2、3、・・・10の中から4つの数字を選んで表せる。
 →10個の数字から4個を選ぶ組み合わせの数

    10!/4!(10-4)! = 10!/4!6! =210

・同様の計算を繰り返すと、すべての組み合わせが求まる。

    10!/0!10!=1, 10!/1!9! = 10, 10!/2!8! = 45,・・・


・これらの数字の一般的形状を考える。
・最初は小さな値から始まり、真ん中で最大、再び小さくなる。
・真ん中を中心に左右対称になる。
・確率変数:起こりうる事象に幅があるシステムに対し、ランダムに計測して得られる値
・確率分布:確率変数がとる値と、その値をとる確率を結びつけて表したもの


★コイン投げはランダムか?
・コイン投げを高い精度で制御できる機械がある。
 →コイン投げはあらかじめ決められた力学的プロセス(ランダムではない)
・等しい確率を作り出すのは投げる操作ではない。
・コイン投げをする人間が、コインをはじく前に親指に載せるとき、無意識にランダムネスを作っている。


★サイコロ投げはランダムか?
・サイコロの初期配置が重要
・1の面が上になった状態でサイコロを転がすと、1が出る回数が他の面よりわずかに多くなる。
・従来の仮定:サイコロが公平であれば、それぞれの目が出る確率は1/6 = 0.167

・理論モデル:テーブルが柔らかく、サイコロが跳ねない極端な条件では、開始時に上を向いていた面が転がしたあとも上を向いている確率は0.558
 →0.167よりはるかに大きい値
・4回から5回跳ねると仮定すると、確率は0.199
・空中で高速回転する、着地後に約20回はねる場合に0.167に近づく