ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論

ジェフ・ホーキンス 著 大田直子 訳「脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論」メモ 

ジェフ・ホーキンス 著  大田直子 訳
「脳は世界をどう見ているのか」メモ

第1部 脳についての新しい理解

第6章 概念、言語、高度な思考
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【まとめ】
・座標系はあらゆる種類の知識を整理する方法であり、直接感知できない知識を整理するのにも使える。
・すべての知識は座標系に対する位置に保存される
・一般に思考と呼ばれるものは、実際には空間を、つまり座標系内を動き回ること。
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・優れた認知機能こそが、人間とほかの霊長類と区別するもの。
・新皮質のコラムはどれも同じ機能を果たす。
・これが事実であれば、言語その他の高度な認知能力は、なんらかの基本レベルで、見たり触れたり聞いたりする能力と同じ。
・これは自明ではない。


・人間の知能のあらゆる側面を作り出せるのは、どんな機能・アルゴリズムなのか?


・座標系はあらゆる種類の知識を整理する方法。
・座標系は直接感知できない知識を整理するのにも使える。

 

★すべての知識は座標系内に保存される
・仮説:脳は座標系を使いあらゆる知識を配置、思考は一種の動き。
・座標系内で知識が配置された場所が次々に活性化されるとき、思考が起こる。


・この仮説は次の要素に分解できる。
1 座標系は新皮質のいたるところに存在する
・新皮質内のあらゆるコラムには座標系をつくる細胞がある。


2 座標系は物体だけでなく私たちが知っていることをすべてモデル化するのに使われる
・コラムは、入力を変化させるものの構造を見つけてモデル化しようとするニューロンからなるメカニズムにすぎない。


3 すべての知識は座標系に対する位置に保存される
・座標系は知能のオプション要素ではなく、脳内のあらゆる情報が保存されている構造。
・知っている事実はすべて、座標系の位置と対になっている。


4 考えることは一種の動きである
・保存されている知識を思い出すため、適切な座標系内の適切な位置を活性化する必要がある。
ニューロンが座標系内の位置を次々呼び覚まし、それぞれの位置に保存されているものを想起させるとき、思考が起こる。


★なに経路とどこ経路
・脳には視覚系が二つある。
・眼から新皮質に続く視神経をたどると、二つの平行する視覚系につながる。
①なに経路:脳の最後部で始まり、両側につながる一連の皮質領域。
②どこ経路:脳の最後部で始まり、頭頂に向かう一連の領域。


・視覚、触覚、聴覚に、「なに領域」と「どこ領域」がある。


・①と②には相補的な役割がある。
・どこ視経路を無力化すると、その物体がなにであるかは言うことができるが、その物体に手をのばすことができない。
・なに視経路を無力化すると、物体がなにであるかを特定できないが、手を伸ばしてつかむことができる。


・①と②のコラムは同じように見える。
・なぜ異なる役割を果たすのか?
・なにコラムの皮質格子細胞は座標系を物体に結びつける。
・どこコラムの皮質格子細胞は座標系を体に結びつける。


★概念の座標系
・概念に手を伸ばして触れることはできない。
・皮質コラムはどのように感知できないもののモデルをつくり出せるのか?
・ポイント1:座標系が物理的な何かとつながっているとはかぎらない。
・架空の土地の地図をつくる方法に似ている。
・ポイント2:概念の座標系は物体の座標系と次元の数や種類が同じとは限らない。


・新皮質のコラムは、自分がどんな種類の座標系を使うべきか、あらかじめ分かっていない可能性が高い。
・コラムが何かのモデルを学習するとき、次元の数を含め、どんな座標系が適しているか見つけることも学習の一部。


★場所法
・場所法:覚えておきたいリストの項目それぞれを、家の異なる場所に置くところを想像するやり方。
・項目リストを思い出すため、家の中を歩き回るところを想像すると、一度にひとつずつ項目の記憶がよみがえる。
・物事がよく知っている座標系の位置に割り当てられていると、思いだしやすい。
・この場合座標系は頭の中にある自分の家の地図。
・思い出す行為は動くとこにより達成されている。
・物理的に体を動かしていないが、頭の中では家の中を動いている。


・場所法は前提の二つを裏付ける。
・情報は座標系内に保存され、情報の読み出しは一種の動き。
・脳が学習するときは、新しい座標系がつくられる。


fMRIを使った人間の研究
fMRIを使い被験者が課題を実行中に格子細胞が活性化していることを検出できた。
・新皮質の一部に、格子細胞があることを強く示す同じ特徴を発見した。
・新皮質は鳥のイメージを地図のような座標系に保存する証拠が見つかった。
fMRIデータは、新皮質のこの部位が鳥について学習するため、格子細胞のようなニューロンを使ったことを示唆。


・場所法は以前学習した地図、自分の家の地図を使い、あとで思い出せるように項目を保存。
・新皮質が新しい地図、首と足が異なる鳥を記憶する課題に合った地図を作成。
・どちらの例でも、座標系内に項目を保存し、「動き」によりそれを思い出すプロセスは同じ。
・一般に思考と呼ばれるものは、実際には空間を、つまり座標系内を動き回ること。