ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論

ジェフ・ホーキンス 著 大田直子 訳「脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論」メモ 

ジェフ・ホーキンス 著  大田直子 訳
「脳は世界をどう見ているのか」メモ

第3部 人間の知能

第13章 人間の知能による人類滅亡のリスク
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【まとめ】
・人間の行為が人類存亡の脅威を作り出している(核戦争リスク、気候変動リスク)。
・リスクに対処できない理由。
 ①古い脳が主導権を握っていて、長期的生存を支える選択をするのを阻止していること。
 ②世界規模のテクノロジーは、誤った信念をもつ人たちに悪用されやすいこと。
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・知能そのものは無害であるが、人間の知能はそれほど無害ではない。
・人間の行為が人類絶滅につながる可能性
 ①核戦争とその結果生じる地球規模の大災害
 ②気候変動
・これら以外にもさらなる存亡の脅威を人間がつくり出すことは確実。


・こうした問題をシステムの観点から見る必要がある。
・人間の脳に関する二つの根本的なシステムのリスク。
 ①脳の古い部位に関係するリスク。
  テクノロジーを操る人間の行動は、利己的で短絡的な古い脳に支配されている。

 ②新皮質と知能に関係するリスク。
  新皮質はだまされる可能性がある。


★古い脳のリスク
・脳の古い部位は原始的行動(子育て、社会協力、戦い、争い、強制性交、窃盗など)をかくまっていて、人間はこの遺産とともに生きている。
・古い脳はまだあり、何億年も生き延びてきたことで定められたルールのもとに動いている。
・人類は望ましくない原始的行動から脱却できていない。


・古い脳自体は人類存亡のリスクにはならない。
・古い脳が人類存亡の脅威となるのは、新皮質が地球全体を破壊しかねないテクノロジーを生み出したから。
・古い脳の短絡的な行動が、新皮質のテクノロジーと組み合わさり、人類にとって存亡の脅威になった。


★人口増加と気候変動
・人間が引き起こした気候変動の二つの要因
 ①地球上に住む人間の数
 ②各人が生み出す汚染の量


・現在、世界の人口は80億に近づきつつあり、増え続けている。
・人がもっと少なければ、地球が人間のせいで劣化し崩壊する可能性は下がる。


・生命の基礎は単純。
・遺伝子はできるだけたくさん、自身のコピーをつくる。
 動物はできるだけたくさんの子をつくろうとする。
 種はできるだけたくさんの場所に住もうとする。


・新皮質は広い視野に立って理解する。
・新皮質は人口増加の結果を予測できる。
・なぜ人間は力を合わせて人口を減らさないのか?
 →古い脳が主導権を握っているから
・古い脳は将来の影響について知らない。
・古い脳と新皮質の闘いで、たいていは古い脳が勝つ。


・人口増加を止める必要があることは自明だが、古い脳が子どもをほしがるので、人口抑制は難しい。
・少なくとも50年間、人口増加の脅威を理解していながら、その期間に人口がほぼ3倍に増えた。


★どうすれば新皮質が古い脳を阻止できるか
・人口過剰の妙なところ:人口を減らすという考えは論争の的にならないのに、どうやって現状からそれを達成するかについて話すことは社会的・政治的に許されないこと。


・解決策:あらゆる女性が確実に、自分の妊娠力を制御する能力をもち、望むならその選択権を行使できる権限をもつようにすること。
・避妊の発明は、どうすれば新皮質が知能を使い優位に立てるかを示す。
・古い脳と闘う代わりに、新皮質は古い脳にほしいものを与えながら、望ましくない最終結果を阻止する。


・なぜ、女性の地位向上に対して抵抗が続いているのか?
→古い脳とウィルス性の誤った信念にある


★誤った信念のリスク
・新皮質はだまされることがある。
・人間はだまされて、誤ったことを信じ込みやすい。
・誤った信念は命にかかわる誤った判断をしかねない。
・その判断が地球規模の影響を与えるとしたら、ひどいことになる。


・誤った信念の基本要因
<1 直接経験できない>
・誤った信念は、直接経験できなことに関すること。

<2 反証を無視する>
・誤った信念は、反対の証拠を無視するための行動や根拠を指示する。

<3 ウィルス性の広がり>
・その思い込みをほかの人々に広めることを促す行動を命じる。


★ねらい
・人類の成功を生み出した人間の知能が、私たちの絶滅の原因になりかねない。
・問題は、古い脳と新皮質からなる脳の構造。
・古い脳は短期生存と子どもをできるだけ多くつくることに適応。
・新皮質は古い脳の役に立つよう進化。
・新皮質は進化の過程で、発話と手の器用さのメカニズムを獲得。
・言語は知識の共有を可能にした。
・言語は誤った信念のタネもまいた。
・言語のおかげで、他人から学習するものも取り入れるように、モデルを広げた。
・優れた手先の器用さを得たことにより、精密な道具の製作が可能となった。
・そうした道具には世界規模で広がるテクノロジーもあり、大勢の世界人口を支えるため、そうしたテクノロジーに頼っている。


・第一の問題:古い脳が主導権を握っていて、長期的生存を支える選択をするのを阻止していること。
・第二の問題:世界規模のテクノロジーは、誤った信念をもつ人たちに悪用されやすいこと。