ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

直立二足歩行の人類史 人間を生き残らせた出来の悪い足

ジェレミー・デシルヴァ 著  赤根洋子 訳「直立二足歩行の人類史」メモ

ジェレミー・デシルヴァ 著  赤根 洋子 訳
「直立二足歩行の人類史」メモ

第3部 人生の歩み
第10章 最初の一歩
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【まとめ】
・歩行反射(左右交互に足を出す動作)は、ほ乳類全体が共有している古い特徴で、歩行反射を毎日練習させた赤ん坊はさせなかった赤ん坊よりも早く歩き始める。
・平均的な幼児は1時間に2368歩歩き(4.8km)、1時間に17回転び、毎日1万歩以上歩くことにより、彼らの歩行能力は向上する。
・人体は遺伝子で決定される特徴と、自分自身の行動で形成される解剖学的構造の組み合わせでできており、われわれの骨格は、生まれと育ちが複雑に絡み合ってできている。
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★赤ん坊はどうやって歩き始めるか
・多くのほ乳類は生まれた直後に歩き始める。
・霊長類のほとんどは、生まれたときにすでに毛が生え、目も開いていて、若干の運動能力もある。
・生後すぐに母親にしがみつくことができ、母親からはぐれることもあまりない。
・人間は違う。
・生後数週間、人間の赤ん坊は重い荷物のよう。
・歩くことも、しがみつくこともできない。
・新生児はすぐに目を開け、周囲を感知する。
・聞き慣れた音に関心を示し、顔の表情をまねたりできる。
・生まれてから自分で歩けるようになるまでの期間が長い。
 →生後数年間は脅威から守ってくれる存在が必要。


・新生児は自分で歩くことはできないが、歩く練習をする。
・原始歩行(直立蹴り、仰向け歩行、歩行反射):赤ん坊が足を交互に出す行動
→ほ乳類の形態的特徴に深く根付いた反射


・子宮内歩行:受胎から7~8週間経つと、退治は子宮内で蹴り始める。
・子宮内歩行は歩行の基礎になっている。
・歩行の原形であり、数ヶ月後に幼児が歩く練習をするうちに原形は洗練され、完成に至る。


・歩行反射を「足を伸ばし、左右交互に前に出す」という二つのコマンドをプログラミングすることだと考える。
・このようなコマンドは人間の神経回路だけでなく他のほ乳類にも見られる。
・左右交互に足を出す動作は、われわれがほ乳類全体と共有している古い特徴。


・生後八週間、歩行反射を毎日練習させた赤ん坊は、練習させなかった赤ん坊よりも2ヶ月ほど歩き始めるのが早かった。
→歩き始める時期を左右するのは、子供の生来の能力よりも育て方。


★歩き始める時期の意味
・赤ん坊は平均12ヶ月までに自力で歩くようになる。
・八ヶ月から18ヶ月までなら正常範囲内。
・歩き始める時期が多少早いか遅いかは大した問題ではない。


★這い這いは必須なのか
・一度も這い這いをしないで歩き出す子どもは大勢いる。
・這い這いの段階を飛ばしたとしても歩く能力には何の影響もない。
・幼児は一人一人、独自の道を切り開いていく。
・発言の順序は決まっていない→二足歩行動物への道は一つではない。


・乳幼児は、興味を惹かれる場所があるとそこへ歩いていいく気になる。
・歩けるようになった赤ん坊は1時間に43回ものを運ぶ。
・幼児は目的指向で歩くわけではない。
・赤ん坊はあらゆる種類のエネルギーを浪費して無目的に部屋中を歩き回る。
・最終的に興味を惹かれたもののところへ行くが、そこへ行くまでにじっくりと時間をかける。
→赤ん坊は移動すること自体を楽しんでいる。


・人はどうやって歩くことを学ぶのか
 →一日に数千歩歩き、何十回転ぶことで学ぶ。
・平均的な幼児は1時間に2368歩歩く(4.8km)。
・幼児は1時間に17回転ぶ。
・毎日1万歩以上歩くことにより、彼らの歩行能力は向上する。
・大人と同じように歩けるようになるのは5~7歳頃で、その過程で骨格が変化していく。


★骨の「生まれと育ち」
・骨の数と種類は人間もチンパンジーも同じ。
・子どもは大人よりも「骨」の数が多い。
・大人 :大腿骨は1本の骨
・子ども:大腿骨は骨幹1本とこぶ状の骨四つでできている。
・こぶと骨幹の間は、骨端線で隔てられている。
・これらの特徴はアフリカの類人猿にもあてはまる。


・骨格の特定の構造により、人間は生まれながらに二本足で歩く用意ができている。
・人間の新生児の踵は大きい
 生まれたときから直立二足歩行の過酷さに備えている。
・生まれたときから人間の骨盤は丈が短く幅が広い。
 股関節まわりの筋肉を左右の体側に固定しているおかげで、人間は二足歩行する際に身体の平衡を保つことができる。
・骨盤内部の海綿骨の骨梁は、新生児のうちからすでに直立姿勢に適した配列となっている。
・これらの構造は生まれつき備わっている。
・二本足で歩くための真の遺伝的適応。


・年長の子どもや大人は膝を閉じて歩く。
・脚が腰の真下に保たれ、バランスが取りやすくなる。
・成長につれて大腿骨が内側に傾斜することで起きる変化。
・生まれたときは、ヒトの大腿骨もチンパンジーのそれと同じようにまっすぐ。
・成長して歩き始めると、膝の軟骨が不均一な圧力を受けて斜めに成長し、膝間接に傾きが生まれる。


・膝間接の傾斜は問題も引き起こす。
 →膝蓋骨亜脱臼
・大腿骨が内側に傾斜→大腿骨前面に固定されている大腿四頭筋は斜めに収縮→膝蓋骨を外側に引っ張る横向きの力が生じる→膝蓋骨がはずれる。
・大腿骨膝蓋面の外側隆起が擁壁の役割を果たし、膝蓋骨をあるべき位置に保っている。
・歩き始めるまでは不要であるにも関わらず、生まれつきこの隆起を備えている。
・人体は遺伝子により決定される特徴と自分自身の行動により形成される解剖学的構造の組み合わせでできている。
・われわれの骨格は、生まれと育ちが複雑に絡み合ってできている。