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サピエンス全史

ユヴァル・ノア・ハラリ 「サピエンス全史」メモ 

サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福

 

 ユヴァル・ノア・ハラリ 「サピエンス全史」メモ

第1部 認知革命
第1章 唯一生き延びた人類種

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【まとめ】
・7万年前、ホモ・サピエンスという種に属する生き物が文化を形成し始め、そうした人間文化のその後の発展を「歴史」という。
・人類は、大きな脳、道具の使用、優れた学習能力、複雑な社会構造をもちながら、200万年にわたり、弱く取るに足りない生き物だった。
・重大な一歩は火をてなずけたことで、調理により腸を短くし、そのエネルギー消費を減らすことで脳を巨大化する道が開けた。
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・7万年前、ホモ・サピエンスという種に属する生き物が文化を形成し始めた。
・そうした人間文化のその後の発展を「歴史」という。

・歴史の道筋をきめた三つの重要な革命
 ① 認知革命(7万年前~)
 ② 農業革命(1万2000年前~)
 ③ 科学革命(500年前~)


<生き物の分類>
「種」:動物の場合、交尾をする傾向があり、繁殖力のある子孫を残すものどうしが同じ種に属する。
「属」:共通の祖先から進化したさまざまな種は、「属」という上位の分類階級に所属する。
・各生物種には、二つの部分(属を表す属名・種の特徴を表す種小名)から成るラテン後の学名がつけられる。
ホモ・サピエンスとは、ホモ(ヒト)属のサピエンス(賢い)のこと。
「科」:属が集まると科になる(ネコ科、イヌ科など)。
・ある「科」に属する生き物はみな、血統をさかのぼると、おおもとの単一の祖先にたどり着く。
ホモ・サピエンスは「ヒト科」に属する。
・現存する近しい縁者は、チンパンジーとゴリラ、オランウータン。
 (チンパンジーが一番近い)


★不面目な秘密
ホモ・サピエンスという種の生き物(現生人類)を指すときは「サピエンス」、ホモ属すべての生き物を指すときは「人類」という用語を使う。


・人類が初めて姿を表したのは、250万年前の東アフリカ。
アウストラロピテクス(「南のサル」の意)属という先行する猿人から進化した。
・200万年前、この人類の一部が北アフリカ、ヨーロッパ、アジアの広い範囲に進出し、住み着いた。
・それぞれの地に暮らす人類は、異なる方向へ進化したため、別個の種が誕生した。

・ヨーロッパ・アジア西部:ホモ・ネアンデルターレンシス(ネアンデル谷出身のヒトの意で、一般には「ネアンデルタール人」と呼ばれる)
・アジアの東側:ホモ・エレクトス(直立したヒト):
ホモ・エレクトスは200万年近く生き延び、これほど長く存在した人類は他にない。
インドネシアのジャワ島:ホモ・ソロエンシス(ソロ川流域出身のヒト)
※島は資源が乏しかったため、矮小化(小型化)し、身長は最大1m、体重は25kg程度だった。
・東アフリカ:ホモ・ルドルフェンシス(ルドルフ湖出身のヒト)
      :ホモ・エルガステル(働くヒト)
      :ホモ・サピエンス(賢いヒト)


・200万年前から1万年前ごろまで、いくつかの人類種が同時に存在していた。
・10万年前には、少なくとも6つの異なるヒトの種が暮らしていた。


★思考力の代償
<人類すべてに共通する特徴>
①巨大な脳をもつこと。
・250万年前の最初期のヒトの脳:600cm^3
・現生人類の脳:1200~1400cm^3
・大きな脳は、体に大きな消耗を強いて、燃費も悪い。
ホモ・サピエンスの脳は、体の消費エネルギーの25%を使う(ヒト以外の霊長類は8%)


・大きな脳の代償は、より多くの時間をかけて食べ物を探すことと、筋肉を衰えさせることで支払った。
・人類の神経ネットワークは200万年以上にわたり成長を重ねたが、石器以外に見るべき成果を残さなかった。
・200万年もの年月に、何が人類の巨大な脳の進化を進めたのか?
→わからない。


②直立二足歩行
・手を使い複雑な作業がこなせるようになった。
・精巧な道具を製造し、使用できる。
・道具の製造示す証拠は、250万年前までさかのぼる。
・道具の製造と使用は、考古学者が古代人類の存在を認める基準。
・直立方向するには腰回りを細める必要があり、産道が狭まった。
→赤ん坊の脳と頭が小さく柔軟な、早い段階で出産する女性が有利。
・自然選択により早期の出産が優遇された。
・人間は、他の動物に比べて生命維持に必要なシステムの多くが未発達で未熟な段階で生まれる。
・子育ては社会の助けを必要とするため、進化は強い社会的絆を結べる者を優遇した。
・人間は未熟な状態で生まれるので、他の動物には望めないほど、教育し、社会生活に順応させることができる。


・人類は、大きな脳、道具の使用、優れた学習能力、複雑な社会構造をもちながら、200万年にわたり、弱く取るに足りない生き物だった。
・ホモ属は食物連鎖の中ほどに一を占め、ごく最近までそこに収まっていた。
・過去10万年間で人類は食物連鎖の頂点へ飛躍した。
・この飛躍に生態系は順応できなかった。
・戦争から生態系の大惨事に至るまで、歴史上の多くの災難は、この性急な飛躍の産物。


★調理をする動物
・重大な一歩は、火をてなずけたこと。
・30万年前には、ホモ・エレクトスネアンデルタール人と、ホモ・サピエンスの祖先が日常的に火を使っていた。
・火の最大の恩恵は、調理が可能になったこと。
・そのままでは消化できない食べ物も、調理により主食となつた。
・調理することで、かむのも消化するのも楽になった。
・調理により腸を短くし、そのエネルギー消費を減らすことで脳を巨大化する道が開けた。


・ほぼすべての動物の力は、自らの身体を拠り所にしている。
・火の力は、人体の形状や構造、強さには制限されない。
・どこで火を起こすか選択でき、さまざまな目的で利用できる。


★兄弟たちはどうなったか?
・15万年前までには、現生人類にそっくりのサピエンスが東アフリカに住んでいた。
・東アフリカのサピエンスは、7万年前にアラビア半島に拡がり、短期間でユーラシア大陸全土を席巻した。
ホモ・サピエンスアラビア半島に到達したとき、ユーラシア大陸の大半にはすでに他の人類が定住していた。
・彼ら他の人類はどうなったか?
①「交雑説」:他の人類と交雑し、混血した。
②「交代説」:他の人類を忌み嫌い、大量殺戮した。


ネアンデルタール人、デニソワ人のDNA解析結果>
・中東とヨーロッパの現代人特有のDNAのうち、1~4%がネアンデルタール人のDNAだった。
・現代のメラニア人とオーストラリア先住民特有のDNAのうち、最大6%がデニソワ人(ホモ・デニソワ)のDNAだった。
・交雑説は部分的には正しい。
・他の人類のDNAは、今日の私たちのゲノムにほんのわずかのDNAしか与えていないため、サピエンスと他の人類が「一体化」したとは言えない。
・生物学的な現実は、白と黒のようにはつきり二分できない(グレーゾーン)。
・5万年前、サピエンスとネアンデルタール人とデニソワ人は、あと一歩でそれぞれ完全に異なる種になるところまできていた。
・サピエンスとネアンデルタールとが繁殖力のある子孫を残すことは稀には可能だったので、両集団は一体化はしなかった。
ネアンデルタールの一部の遺伝子は、サピエンスに受け継がれた。


・他の人類種は、ホモ・サピエンスにより絶滅に追い込まれた可能性がある。
・サピエンスが新しい土地に到着するたび、先住の人々は滅びた。
・ホモ・ソロエンシスの存在を示す遺物は5万年前に途絶え、ホモ・デニワスはその後まもなく消えた。
ネアンデルタール人の絶滅は3万年ほど前で、ソロシエンスは1万3千年前に消えた。
・サピエンスの成功の秘密は何だったのか?
→その比類なき言語のおかげ