最終章、第七章を読んだ。エントロピー増大に逆らうための「意思」は、刹那にしか存在しない「A系列」の時間であり、それらを記録(記憶)し想起することで「B系列」の時間が生まれる。相対論的C系列の構造をもつ、ただ存在するだけの宇宙に「意思」が生まれ、時間を創造し、そこに生命が活動している。時間の創造は宇宙の創造であり、われわれはそれに参画している。
・時間は実在せず、時間や過去、未来は生命だけが感じる主観的なものだということが、なんとなく分かった。
・秩序が崩れてゆくエントロピーが増大する宇宙だからこそ、「意思」が生まれ「生命」が存在するのだという事実が、逆説的で興味深い。
・「ただそこに在るだけの宇宙」と言われても、イメージするのが難しいけれど、生命はその相対論的C系列の宇宙の中に主観的時間を創造し、また宇宙の創造に参画しているということが刺激的だった。
- 作者: 橋元淳一郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/12/14
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橋元淳一郎 「時間はどこで生まれるのか」
第七章 <時間の創造は宇宙の創造である> メモ
☆過去と未来は生命の「意思」によって生じる
・この宇宙はただ存在するだけの相対論的C系列(一覧表)
・エントロピーが増大したり減少したりする
・生命と「秩序」であり、その秩序を維持させる「意思」をもつ存在
・エントロピーが減少する方向では、「意思」が生じる必然性がない
・エントロピーが増大する方向では、秩序が崩壊するので、秩序維持のための「努力」が必要であり、
そこから「意思」が生まれた
・「意思」をもつ生命は、外部の圧力を過去として受け止めるとともに、外圧に逆らう自由をもち、
この自由こそが未来
・上記より主観的時間の流れ(A系列)が創造され、変えれらない過去と自由に選択できる未来という
時間性が生まれる
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☆刹那刹那で創造される主観的時間
・われわれが常識的にもっている時間概念はA系列から生まれ、それは刹那刹那の「意思」が創り出すもの
・A系列の主観的時間は、ある決断の瞬間にだけ存在するもの⇒A系列の主観的時間には現在しかない。
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☆B系列の時間は「記録」から生まれる
・刹那刹那の「意思」が「記録」を想起することからB系列の時間が生まれる
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☆われわれは宇宙の創造に参画している
・宇宙は相対論的C系列の構造もち、一枚の絵のようなもので、ただそのように存在するだけのもの・われわれ生命はその絵の中に主観的時間を創造した。
・未来の宇宙をどうするかの自由をもち、宇宙の創造に参画している。・時間の創造は宇宙の創造であり、われわれはそれに参画している。