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トランスナショナル カレッジ オブ レックス編 「量子力学の冒険」

量子力学の冒険

量子力学の冒険

トランスナショナル カレッジ オブ レックス編 「量子力学の冒険」

第四話 <L.V.de Broglie E.Schrodinger> 「新しい描像」メモ


<箱の中の電子>

・電子の波の方程式のɎがどうなるか考える。

   ∇^2Φ=−8π^2 ɱ(ν−Ɏ)Φ


 自由空間の場合と同じで「何の力も働かない」ので、Ɏ=0であり、「箱の中の電子の波の
方程式」は次式となる

   ∇^2Φ=−8π^2 ɱνΦ ・・・(C)


・箱の中の波のkxはπ/Lずつ整数倍に、とびとびに増えるので

   kx=nxπ/L   (n=1,2,3・・・)


・箱の中にある波は両端が0になるsin波なので、

   Φ(x、y、z)=Anxnynzsin(nxπ/L)x・sin(nyπ/L)y

               ・sin(nzπ/L)z


 上式を(C)式に代入する。

 左辺の

   ∇^2Φ=∂^2Φ/∂x^2+∂^2Φ/∂y^2+∂^2Φ/∂z^2


 の∂^2Φ/∂x^2を求める。


   ∂^2Φ/∂x^2=−(nxπ/L)^2Anxnnzsin(nxπ/L)x

            ・sin(nyπ/L)y・sin(nzπ/L)z


          =−(nxπ/L)^2Φ


 y方向、z方向も同じなので、

   ∇^2Φ=∂^2Φ/∂x^2+∂^2Φ/∂y^2+∂^2Φ/∂z^2


      =−((nxπ/L)^2+(nyπ/L)^2+(nzπ/L)^2)Φ


 「箱の中の電子の波の方程式」と比べる。

   ∇^2Φ=−8π^2 ɱνΦ


   ∇^2Φ=−((nxπ/L)^2+(nyπ/L)^2+(nzπ/L)^2)Φ


 ⇒(nxπ/L)^2+(nyπ/L)^2+(nzπ/L)^2=8π^2 ɱν


 よって次式とり、振動数が求まる。

   nx^2+ny^2+nz^2=8ɱL^2ν


   ν=(nx^2+ny^2+nz^2)/(8ɱL^2)


・上式のnx、ny、nzは「sin波の山の数」を表し、1、2、3・・・の「整数倍の値」
が入る。

・それに応じて振動数νも「とびとび」の値になり、「箱の中」など特定の状態の中にある
ためとびとびの値を取る振動数νを「固有値」と呼ぶ。


・Ψを求める

   Ψ(x、y、z、t)=Φ(x、y、z)e^-i2πνt


   Φ(x、y、z)=Anxnynzsin(nxπ/L)x・sin(nyπ/L)y

               ・sin(nzπ/L)z


 なので、

   Ψ(x、y、z、t)=Anxnynzsin(nxπ/L)x・sin(nyπ/L)y

               ・sin(nzπ/L)ze^-i2πνt

 ただし

   ν=(nx^2+ny^2+nz^2)/(8ɱL^2)


・エネルギーEを求める

   E=hν


    =h×(nx^2+ny^2+nz^2)/(8ɱL^2)


 ここで、m=hɱ⇒ɱ=m/hより、

   E=(nx^2+ny^2+nz^2)×h^2/(8mL^2)


・これは、ボーアの求めた「箱の中の電子」のエネルギーと同じ


<箱の中の電子(粒編)>

・電子のエネルギー(E)は、運動エネルギー(K)と位置エネルギー(V)を足したもの
なので、次式となる。

   E=K+V


・電子は「箱」の中の力は受けない空間にあるので、V=0となる。

   E=K


 K=(mv^2)/2なので、

   E=(mv^2)/2


 3次元空間なので、

   E=(mvx^2)/2+(mvy^2)/2+(mvz^2)/2


 p=mv(運動量=質量×速さ)なので、

   E=(px^2)/2m+(py^2)/2m+(pz^2)/2m ・・・(D)


となる。


・量子条件を「箱の中」の条件に合わせて書きかえる。

  量子条件 ∫pdq=nh(n=1、2、3・・・)


・箱の中での一周期分は、箱の中で電子が左端から右端まで行って、はね反って左端に戻る
までの距離なので、一周期は1辺L[m]の箱の1往復分で0から2Lとなる

 箱の中の量子条件は次式となる。

   ∫[0→2L]pdq=nh(n=1、2、3・・・)


 よって

   2L・p=nH


   p=(nh)/2L


   px=(nxh)/2L、y=(nyh)/2L、z=(nzh)/2L


 これを(D)式に代入して整理すると次式となり、シュレーディンガーの理論から求めた
エネルギーと等しくなる。

   E=(nx^2+ny^2+nz^2)×h^2/(8mL^2)


<フックの場>

・フックの場:中心に向かって引っ張る力が働いている場
 (力の働き方がバネと同じになるような場)

   F=−kx


 F:戻ろうとする力
 −:引っ張られる向きと逆向き
 k:バネの強さ
 x:つりあった点からの距離


・フックの場の位置エネルギー
位置エネルギーは、どれだけの距離、どれぐらいの力をかけて引っ張ったかで決まる。


 位置エネルギーVは次式で表される。

   V=−∫[0→x]Fdx


 バネの力の場合の位置エネルギーVは、

   V=−∫[0→x]Fdx


    =−∫[0→x]−kxdx


    =∫[0→x]kxdx


    =(kx^2)/2


となる。


 Ɏは

   V=hɎ


   Ɏ=V/h


なので、フックの場でのɎは


   Ɏ=(k/2h)x^2


となる。


・式を整理する

・Φは3次元(x、y、z)の空間に拡がる波であるが、計算を簡略化するため、
1次元(x方向)だけで考える


   ∇^2Φ=∂^2Φ/∂x^2+∂^2Φ/∂y^2+∂^2Φ/∂z^2 ←3次元


   d^2Φ(x)/dx^2 ←1次元


 電子の波の方程式

   ∇^2Φ=−8π^2 ɱ(ν−Ɏ)Φ 


は、

   d^2Φ(x)/dx^2=−8π^2 ɱ(ν−Ɏ)Φ(x)


となる。
 上式に

   Ɏ=(k/2h)x^2


を代入すると、

   d^2Φ(x)/dx^2=(−8π^2 ɱν+(4π^2ɱk/h)x^2)Φ


 ここで、

   8π^2 ɱν=λ (λは波長ではない)


   4π^2ɱk/h=α^2


の置き換えをすると次式となる。

   d^2Φ(x)/dx^2=(−λ+α^2x^2)Φ


 さらに置き換えをする。

   αx^2=ξ^2


 ⇒ x=ξ/√(α)


 これを代入すると次式となる。

   d^2Φ(ξ)/d(ξ/√(α))^2=(−λ+αξ^2)Φ(ξ)


   d^2Φ(ξ)/dξ^2=(−λ/α+ξ^2)Φ(ξ)


 さらに置き換えをする。

   λ/α=a


 「フックの場での電子の波の方程式」は置き換えにより次式となる。

   d^2Φ(ξ)/dξ^2=(−a+ξ^2)Φ(ξ)


・Φのあたりをつける

   Φ=e^-(ξ^2)/2


・Φを2階微分して(−a+ξ^2)Φ(ξ)の形になればよい。


 1階微分すると

   dΦ/dξ=d/dξe^-(ξ^2)/2=2・(−ξ/2)・e^-(ξ^2)/2


         =−ξe^-(ξ^2)/2


 2階微分する。

   d/dx(f(x)・g(x))

        =d/dxf(x)・g(x)+f(x)・d/dxg(x)


 より、

   d^2Φ/dξ^2=d/dξ(dΦ/dξ)


          =d/dξ(−ξe^-(ξ^2)/2)


          =−e^-(ξ^2)/2+ξ^2・e^-(ξ^2)/2


          =(−1+ξ^2)e^-(ξ^2)/2


・あたりをつけたΦと電子の波の方程式のΦの形を比べる

   d^2Φ/dξ^2=(−1+ξ^2)Φ


   d^2Φ/dξ^2=(−a+ξ^2)Φ


・a=1のときしか同じ形にならない


・e^-(ξ^2)/2・f(ξ)を2階微分したときに(−a+ξ^2)Φ・f(ξ)となるような
関数を探す

   Φ=e^-(ξ^2)/2・f(ξ)


 このΦを「フックの場の場合の電子の波の方程式」に代入する。

   d^2Φ/dξ^2=(−a+ξ^2)Φ


 1階微分

   dΦ/dξ=d/dξ(e^-(ξ^2)/2・f(ξ))



        =−ξe^-(ξ^2)/2・f(ξ)+e^-(ξ^2)/2・d/dξf(ξ)


 2階微分

   d^2Φ/dξ^2=d/dξ(−ξe^-(ξ^2)/2・f(ξ)


                +e^-(ξ^2)/2・d/dξf(ξ))


=((ξ^2−1)f(ξ)−2ξ・d/dξf(ξ)+d^2/dξ^2f(ξ))e^-(ξ^2)/2


 右辺に代入して整理すると

   d^2/dξ^2f(ξ)=(1−a)f(ξ)+2ξd/dξf(ξ)


テイラー展開で置き換える

   f(x)=C0+C1x+C2x^2+C3x^3+・・・=Σ[n=0→∞]Cnx^n


 C0、C1、C2・・・それぞれの係数がわかればf(x)がどんな形になるかわかる。


・f(ξ)をテイラー展開の形に置く

   f(ξ)=C0+C1ξ+C2ξ^2+C3ξ^3+・・・=Σ[n=0→∞]Cnξ^n


 f(ξ)の1階微分df(ξ)/d(ξ)は、

   d/dξf(ξ)=0+C1+2C2ξ+3C3ξ^2+・・・


となり、両辺にξをかけると次式となる。

   ξd/dξf(ξ)=0+C1ξ+2C2ξf^2+3C3ξ^3+・・・


             =Σ[n=0→∞]nCnξ^n


 さらにd/dξf(ξ)を微分してd^2/dξ^2f(ξ)を求める。

   d^2/dξ^2f(ξ)=0+0+2・1・C2+3・2C3ξ+4・3C4ξ^2+・・・


       =(0+2)(0+1)C0+2ξ^0+(1+2)(1+1)C1+2ξ^1


+(2+2)(2+1)C2+2ξ^2+・・・


       =Σ[n=0→∞](n+2)(n+1)Cn+2ξ^n


 よって

   Σ[n=0→∞]((n+2)(n+1)Cn+2−(1−a+2n)Cn)ξ^n=0


となる。


・全てのnに対して

   (n+2)(n+1)Cn+2−(1−a+2n)Cn=0


 ⇒ (n+2)(n+1)Cn+2=(1−a+2n)Cn


の場合にだけ上式が成り立つ。


・整理すると次式となる。

   Cn+2=(2n+1−a)Cn/((n+2)(n+1)) (n=0、2、3、・・・)


 ⇒C0が分かれば、偶数の係数が全てわかり、C1が決まれば奇数の項が全部わかる。


・2n+1−a=0→a=2n+1 (n=0、1、2、3・・・)
となるものであればCnは0となる。


・n=偶数の時

   Φn(ξ)=(1+(1−a)ξ^2/2!+(5−a)(1−a)ξ^4/4!


        +(9−a)(5−a)(1−a)ξ^6/6!+・・・)e^-(ξ^2)/2


 n=4のときa=9となればC6から後の係数は全て0になる。

 その時のΦn(ξ)は


   Φ4(ξ)=(1+−8ξ^2/2!+(−4・−8)ξ^4/4!)e^-(ξ^2)/2


        =(1−4ξ^2+4ξ^4/3)e^-(ξ^2)/2


となる。



・n=奇数の時

   Φn(ξ)=(ξ+(3−a)ξ^3/3!+(7−a)(3−a)ξ^5/5!


        +(11−a)(7−a)(3−a)ξ^7/7!+・・・)e^-(ξ^2)/2


 n=5のときa=11となればC7から後の係数は全て0になる。

 その時のΦn(ξ)は


   Φ5(ξ)=(ξ+−8ξ^2/3!+(−4・−8)ξ^5/5!)e^-(ξ^2)/2


        =(ξ−4/3ξ^3+14ξ^5/15)e^-(ξ^2)/2


となる。


固有値νを求める

   a=2n+1


   λ/α=2n+1


   8π^2ɱνn/√(4π^2ɱk/h)=2n+1



 ⇒ νn=(1/2π)√(k/ɱh)(n+1/2) (n=0、1,2,3・・・)


・エネルギーを求める

   E=hνn


 これにフックの場の固有値を代入する。

   E=(h/2π)√(k/ɱh)(n+1/2)


 m=hɱなので

   E=(h/2π)(n+1/2)√(k/m)


 √(k/m)=2πνなので、

   E=(n+1/2)hν


となる。