- 作者: ファインマン,宮島龍興
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1986/01/08
- メディア: 単行本
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第11章 誘電体の内部
11-1 分子双極子
・強さEの電場が単位体積あたりの平均双極モーメントPを誘起すると比誘電率κは
κ−1=P/ε0E (11.19)
・双極モ―メントをもつ分子を極性分子といい、もたないものを非極性分子という
11-2 電子分極
・双極モーメントをつくる電子分布の変位を電子分極という。
・原子が振動電場にあるとき電子電荷の中心の従う方程式
md^2x/dt^2+mω0^2x=qeE (11.2)
はじめの項は電子質量かける加速度、2番目は復元力、右辺は外部電場による力。
電場が周波数ωで変化すると、解は
x=qeE/m(ω0^2−ω^2) (11.3)
の解をもち、これはω=ω0で共鳴する。
ω=0の一定の場合を考えるので、変位は
x=qeE/mω0^2 (11.4)
一つの原子の双極モーメントpは
p=qex=qe^2E/mω0^2 (11.5)
双極モーメントは電場に比例し
p~=αε0E~ (11.6)
定数αは原子の分極率でL^3の次元をもつ。(11.5)と(11.6)より
α=qe^2/ε0mω0^2=4πe^2/mω0^2 (11.7)
単位体積にN原子あると、単位体積あたりの双極モーメント、分極Pは
P~=Np~=Nαε0E~ (11.8)
となる。(11.1)と(11.8)を一緒にすると
κ−1=P/ε0E=Nα (11.9)
あるいは(11.7)により
κ−1=4πNe^2/mω0^2 (11.10)
比誘電率κは気体の密度と、光吸収の振動数ω0に関係する。
11-3 極性分子;配向分極
・電場がないと、単体体積あたりの正味のモーメントは0
・電場が働くと、双極モーメントが誘起され、単位体積あたりのモーメントができる。
・双極子p0~が電場内にあるとする。正電荷のエネルギーはqφ(1)、負電荷は
−qφ(2)である。双極子のエネルギーはU=qφ(1)−qφ(2)=qd^・∇φ、
あるいは
U=−p0~・E~=−p0Ecоsθ (11.14)
θはp0~とE~の角であり、双極子が電場の方に整列するとエネルギーが低い。