ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

トランスナショナル カレッジ オブ レックス編 「量子力学の冒険」

量子力学の冒険

量子力学の冒険

 午前中は弟家族を送って車で扇沢まで行って、午後は昼寝して読書した。台風の影響はたいしたことなくて良かった。

トランスナショナル カレッジ オブ レックス編 「量子力学の冒険」

第四話 <L.V.de Broglie E.Schrodinger> 「新しい描像」メモ


<水素原子>

・水素原子の場合、Ɏは次式となる。

   Ɏ=−e^2/h・1/r


・水素原子の中での電子の波の方程式は次式となる。

   ∇^2Φ+8π^2 ɱ(ν+e^2/h・1/r)Φ=0


 解は次式となる。

   Φ(r、θ、φ)=AP[l m](cоsθ)e^imφF[n l](r)


・複雑な電子の波

・振動数νnの時のΨn、その振幅をAnとすると、Ψnは

   Ψn=AnΦne^-i2πνnt


と表せる。


・複雑な電子の波をΨとすると次式となる。

   Ψ=Σ[n]AnΦne^-i2πνnt


・上式が「展開できる」ことを証明できれば、複雑な波は単純な波のたし合わせであること
が言える。


フーリエ級数

   f(t)=a0+a1cоsωt+b1sinωt+a2cоs2ωt+b2sin2ωt・・


      =a0+Σ[n=1,∞](ancоsnωt+bnsinnωt)

 
 sin波とcоs波を足し合わすことによりどんな複雑な波でも表すことができる。

 ⇒「どんな複雑な波」でも、それをsin波とcоs波に「分解できる」


フーリエ展開では、複雑な波f(t)に含まれる単純な波、sin1ωtの振幅を知りたい
とき、複雑な波f(t)に取り出したい波(sin1ωt)をかけて1周期分の面積を調べれば
分かる。

 ⇒f(t)を構成している単純な波1本1本にsin1ωtをかけて面積を求めるのと同じ。


フーリエ展開すると、同じ形の波同士をかけたときにだけ、面積は0にならず、違う形の
波をかけた時には面積が0になる。

 ⇒自分以外のものとかけ算してその面積を求めると0になる場合、それらの波は
  「お互いに直交している」という。


  ①f(t)に振幅が1の単純な波をかけて面積を求める。
  ②それぞれの波が直交しているために、かけたのと同じ振動数の波以外の場合は
    面積は全部0になる。
  ③かけたのと同じ振動数の波だけが取り出せる。

    ⇒次々にf(t)にいろいろな振動数の単純な波をかけていけば分解できる。


・Ψ=Σ[n]AnΦne^-i2πνntがどんな複雑な波でも表せるかを確かめるため、単純な
電子の波のそれぞれが直交していることを証明する。


・まずは空間だけの関数Φnが直交しているかを確かめる

・異なる単純な波ΦnとΦn'(n≠n’)が直交しているとは、ΦnとΦn'をかけて面積が0
となればよいので、次式で表せる。

   ∫[A→B]ΦnΦ*n'ds =0(n≠n’)、≠0(n=n’)


 Φnは複素数の場合もあるので、面積を求めるため複素共役*を使う。


・1次元で考える
・Φnは電子の波の方程式?を満たす

   d^2Φn/dx^2+8π^2ɱ(νn−Ɏ)Φn=0 ・・・①


 Φn'についても同じ

   d^2Φn'/dx^2+8π^2ɱ(νn−Ɏ)Φn'=0


Φn'の複素共役をとる

   d^2Φ*n'/dx^2+8π^2ɱ(νn−Ɏ)Φ*n'=0 ・・・②


 ?と?を操作して目標の形(∫[A→B]ΦnΦ*n'ds=0)に近づける。

 ?、?を移項して、?にはΦn'を、?にはΦnを両辺にかける。


   d^2ΦnΦ*n'/dx^2=−8π^2ɱ(νn−Ɏ)ΦnΦ*n' ・・・①’


   d^2Φ*n'Φn/dx^2=−8π^2ɱ(νn−Ɏ)Φ*n'Φn ・・・②’


 ①’−②’を計算する。

   d^2ΦnΦ*n'/dx^2−d^2Φ*n'Φn/dx^2


    =−8π^2ɱνnΦnΦ*n'+8π^2ɱɎΦnΦ*n'

       +8π^2ɱνnΦ*n'Φn−8π^2ɱɎΦ*n'Φn


    =−8π^2ɱ(νn−νn')ΦnΦ*n'


 両辺を積分する

   ∫[A→B](d^2ΦnΦ*n'/dx^2−d^2Φ*n'Φn/dx^2)dx


     =−8π^2ɱ(νn−νn')∫[A→B]ΦnΦ*n'dx


 左辺の第1項は

   ∫[A→B](d^2ΦnΦ*n'/dx^2)dx= ∫[A→B]Φ*n'(d^2Φn/dx^2)dx


    =[Φ*n'・dΦn/dx](A→B)−∫[A→B](dΦ*n'/dx)・(dΦn/dx)dx


 左辺の第2項は、


   ∫[A→B](d^2Φ*n'Φn/dx^2)dx= ∫[A→B]Φn(d^2Φ*n'/dx^2)dx


    =[Φn・dΦ*n'/dx](A→B)−∫[A→B](dΦn/dx)・(dΦ*n'/dx)dx


 左辺全体を計算すると、

   左辺=[Φ*n'・dΦn/dx](A→B)−[Φn・dΦ*n'/dx](A→B)


 この式のA、BのΦnは境界条件によりΦn(A)=0、Φn(B)=0となるところを指すので

   [Φ*n'・dΦn/dx](A→B)=0、[Φn・dΦ*n'/dx](A→B)=0


 となる。

 左辺=0であり、

   −8π^2ɱ(νn−νn')∫[A→B]ΦnΦ*n'dx=0


 ⇒ (νn−νn')∫[A→B]ΦnΦ*n'dx=0


 となる。


 n≠n’の場合、

   νn≠νn'より、νn−νn'≠0


 となる。

 左辺全体が0になる為には、∫[A→B]ΦnΦ*n'dxが0でなくてはならない。

 よって、n≠n’の時、

   ∫[A→B]ΦnΦ*n'dx=0


 n=n’の場合

   νn=νn'なので νn−νn'=0


 となる。

 よって、n=n’の時、

   ∫[A→B]ΦnΦ*n'dx≠0


 となる。


 以上より、

   ∫[A→B]ΦnΦ*n'ds =0(n≠n’)、≠0(n=n’)


 が証明された。


・規格化する

 Φのかわりに規格化したφを使うと、直交の公式は

   ∫φnφ*n'ds =0(n≠n’)、≠0(n=n’)


となる。