
- 作者: ファインマン,レイトン,サンズ,戸田盛和
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2002/09/27
- メディア: 単行本
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第3章 導波管 メモ
3-1 伝送線
・内部導体が薄い中空の円筒、外部導体も別の薄い円筒で内部導体と同じ軸をもつ
ものを考える。・単位長さあたりのインダクタンスをL0、単位長さあたりのキャパシタンスをC0
とする。xとx+⊿xの間で電圧降下が生じる。
⊿V=V(x+⊿x)−V(x)=−L0⊿xdI/dt
⊿x→0の極限をとり次式を得る。
∂v/∂x=−L0∂I/∂t (3.1)
変化する電流は電圧の勾配を与える。
入り込む電流I(x)と出て行く電流I(x+⊿x)の差を?Iとすると
⊿I=−C0dV/dt
であり、⊿x→0の極限をとると
∂I/∂x=−C0∂V/dt (3.2)
電荷の保存は電流の勾配が電圧の時間的変化に比例する。
∂^2V/dt^2=C0L0∂^2V/∂t^2 (3.3)
∂^2I/∂x^2=C0L0∂^2I/∂t^2 (3.4)
速度vは、∂^2/∂t^2の係数が1/v^2であるので
v=1/√(L0C0) (3.5)
伝送線の中の各々の波に対する電圧はその波の電流に比例し、
比例定数はちょうど特性インピーダンスZ0に等しい。
Z0=√(L0/C0) (3.7)
aとbをそれぞれ内導体と外導体の半径とすると単位長さのインダクタンス
L0=ln(b/a)/2πε0c^2 (3.10)
C=2πε0l/ln(b/a)
単位長さのキャパシティーはC/l
Z0=ln(b/a)/2πε0c (3.11)
3-2 矩形導波管
・管の中の波は数学的に
Ey=E0sinkxxe^i(ωt-kzz) (3.12)
kx=π/aとする。aは管内の幅。
∇・E~=0
∂^2Ey/∂x^2+∂^2Ey/∂y^2+∂^2Ey/∂z^2
−(1/c^2)(∂^2Ey/∂t^2)=0 (3.15)
kx^2Ey+kz^2Ey−(ω^2/c^2)Ey=0
kx^2+kz^2−ω^2/c^2=0 (3.16)
kz=√(ω^2/c^2)−(π^2/a^2) (3.17)
であれば存在し得る。
位相速度は
v=ω/kz (3.18)
λgをz方向に沿う振動の波長とすると、(3.17)は
λg=λ0/√(1−(λ0/2a)^2) (3.19)
3-3 遮断周波数
・式(3.16)をkzについて解くと二つの根が得られる。
kz=±√((ω^2/c^2)−(π^2/a^2)) (3.20)
・周波数がある臨海周波数ωc=πc/aよりも小さくなると、波数kzは虚数
になり、解はなくなる。
・ωc=πc/aよりも低い周波数の波は管に沿って伝搬しない。
・周波数ωcは管の遮断周波数と呼ばれる。
・任意の波の問題において、ある周波数でkが虚数になれば、それは波の形が
変化したこと、すなわち正弦波が指数関数になったことを意味する。
3-4 導波管内の波の強さ
・位相速度
vphase=c/√(1−(ωc/ω)^2) (3.25)
・遮断周波数よりも高いときは、進行波が存在するがωc/ωは1よりも小さい
のでvphaseは実数で光速度よりも大きい。・動いているのは波の節であり、エネルギーや情報ではないため光速度よりも
大きい位相速度は可能。
・群速度
vgroup=dω/dk (3.26)
vgroup=c√(1−(ωc/ω)^2) (3.27)
光速度より小さい
・vphaseとvgroupの幾何平均はちょうど光速度cになる。
vphasevgrpoup=c^2 (3.28)
・運動量pとエネルギーUは
U^2=p^2c^2+m^2c^4 (3.29)
量子力学ではhω、運動量はh/λであり、hkに等しい。よって式(3.29)は
ω^2/c^2=k^2+m^2c^2/h^2 (3.30)
k=√((ω^2/c^2)−(m^2c^2/h^2)) (3.31)
と書ける。
管を伝わるパワーdU/dtは
dU/dt=ε0E0^2abvgroup (3.32)
である。