午前中は雨で午後には回復した。来週からは天候が落ち着きそうだ。
- 作者: ファインマン,坪井忠二
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1986/01/08
- メディア: 単行本
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15-1 相対性理論
ニュートンの第2法則は
F=d(mv)/dt
であり、mが一つの定数であるという暗黙の過程の上にたっているが、
この仮定は正しくない
アインシュタインの修正式
m=m0/√(1−v^2/c^2)
m0:静止質量(物体が運動していないときの質量)
c:光の速さ(3x10^8 m/x)
・相対原理:運動している系の中でいろいろな実験をすると、そのすべてについて
物理法則が静止しているときのものと同じである⇒本当か?
15-2 ローレンツ変換
x’=x−ut/√(1−u^2/c^2)
y’=y
z’=z
t=(t−ux/c^2)/√(1−u^2/c^2)
・すべての物理法則は、ローレンツ変換をしたときに不変であるようなものである
べき
15-3 マイケルソン‐モーレイの実験
・仮想的なエーテルの中で地球がどのくらいの絶対速度で運動しているかを定め
ようとして行われた実験で、結果として地球の速度は求められなかった・物体は運動していると収縮し、その収縮は運動の方向のみに起こるとすると
マイケルソン-モーレイの実験の失敗の説明ができた・絶対速度を決定する方法はない
15-4 時間の変換
・時間も収縮する
15-5 ローレンツ収縮
・S’系がS系の相対的にutという距離を運動したとすると、S系の観測者が
その座標系で同じ点をはかれば、その距離はx=x’√(1−u^2/c^2)+ut
にある、すなわち
x’=(x−ut)/√(1−u^2/c^2)
15-6 同時性
・S’系でそれに対応する時刻t1'とt2'との間には
t2'−t1'=u(x1−x2)/c^2/√(1−u^2/c^2)
・離れた場所における同時性の非成立
15-7 4元ベクトル
・座標回転の場合
x’=xcоsθ+ysinθ
y’=xcоsθ−ysinθ
・ローレンツ変換においても新しいx’にはxとtがまじり、新しいt’には
tとxがまじる・ローレンツ変換は回転に似る(ただし、空間と時間における回転)
x’^2+y’^2+z’^2−c^2t’^2=x^2+y^2+z^2−c^2t^2
・三つの成分はふつうのベクトルの成分と似るが、それに加えて第4の成分が
あり、これは時間成分に対応する
・三つの空間成分はふつうの運動量に似て、第4の成分の時間成分はエネルギー
にあたる
15-8 相対論的力学
・ローレンツ変換をすると力学の法則はどのような形になるか?
・力とは運動量の変化であるというニュートンの法則から出発する
F~=d(mv~)/dt
相対性理論でも運動量はmvであるが、新しいmを使うと次式となる
p~=mv~=m0v~/√(1−v^2/c^2)
・運動量の式にこの修正を入れれば、運動量の保存はやはり成立する。
・相対性理論において、物体が得るのは速さではなく、運動量
・質量が相対性理論的に変化すると、どんな結果を生ずるか?
・小さな容器に入っている気体の分子運動を考える。
気体を熱すると分子の速さが大きくなり、質量も大きくなり、気体が重くなる。
速度が小さい場合に質量の増加をあらわす近似式を求めるにはm0/√(1−v^2/c^2)=m0(1−v^2/c^2)^-1/2
を二項定理を使ってべき級数に展開する。
m0(1−v^2/c^2)^-1/2
=m0(1+(1/2)v^2/c^2+(3/8)v^4/c^4+・・・)
vが小さいときにはこの級数の収束ははやく、はじめの2、3項以下は無視
できるm≒m0+(m0v^2/2)(1/c^2)
右辺の第2項は分子運動による質量増加を示す。
m0v^2/2はニュートンの旧式の意味での運動エネルギーなので、気体全体の
質量増加は運動エネルギーの増加をc^2でわったものに等しく、Δm=?(K.E.)/c^2
であるといってもよい。
15-9 質量とエネルギーは同じものである
・アインシュタインは質量は全エネルギーをc^2でわったものに等しいことに
すれば、一つの物体の質量は次式となるのではないかと考えたmc^2=m0c^2+m0v^2/2+・・・
左辺は一つの物体の全エネルギーを表す。
右辺の最後の項はふつうの意味での運動エネルギー
m0c^2はこの物体の全エネルギーの一部、すなわち静止エネルギーといわれて
いる内在エネルギー
・エネルギーが時間によって変わる割合は、力かける速度
dE/dt=F~・v~
また
F=d(mv)/dt
E=mc^2
であるので
d(mc^2)/dt=v~・d(mv~)/dt
c^2(2m)dm/dt=2mvd(mv)/dt
c^2d(m^2)/dt=d(m^2v^2)/dt
二つの量の微分係数が等しければ、その量自身には定数Cの差があるだけなので
m^2c^2=m^2v^2+C
v=0の場合の質量をm0とすると
m0^2=0+C
m^2c^2=m-2v^2+m0^2c^2
m^2(1−v^2/c^2)=m0^2
m=m0/√(1−v^2/c^2)