ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

ファインマン物理学Ⅰ 力学

ファインマン物理学〈1〉力学

ファインマン物理学〈1〉力学

ファインマン物理学Ⅰ 力学
第14章 仕事と位置のエネルギー(結び) メモ

14-1 仕事
・物理学上の仕事は∫F~・ds~であらわされ、F~とds~のスカラー積の線積分
である

・力が一方向であり、この力のはたらく物体がある方向に動いたとすると、その
変位の方向における力の成分だけが仕事をする


・力がこの距離だけ動いてなす仕事は、Δs~方向における力の成分にΔsをかけた
もの

・変位に直角な方向の力は仕事をしない。


・力が一定でなく、変位の途も複雑な曲線の場合は、その途をたくさんの小さな
Δs~に分けて、おのおのΔs~にそって物体を動かすときにされる仕事を加え合わせ
Δs~がゼロになったときの極限を求める。これが線積分


・何のために仕事を計算するのか

・一つの粒子にたくさんの力がはたらいているとき、その合力のなす仕事は、その
粒子の運動エネルギーの変化に等しい。

・一つの物体がおされると、速さを得て

   Δ(v^2)=2F~・Δs~/m


となる。


14-2 束縛された運動

・摩擦無しの固定束縛

・束縛の力はつね運動に対して直角なので仕事はしない。

・重力のはたらきで斜面に沿って動く物体のような複雑な運動も、エネルギー保存
と重力だけを考えに入れてその運動を計算して正しい答えが得られる。


・力を二つ以上の成分に分けて考えるならば、ある曲線の途にそって運動するとき
全体の合力によってなされる仕事は、その各成分のする仕事の和に等しい


14-3 保存力

・力のなす仕事の量が途のとり方に無関係である場合、この力は保存力であると
いう


・任意の場所に標準点Pをとると、1から2までの仕事の線積分を求めるには、
1からPまでの間の仕事を求め、それにPから2までの仕事をたせばよい

・1からPまでいく間になされる仕事は、点Pから1までいく間になされる仕事に
マイナスをつけたもの

   ∫[1,P]F~・ds~=∫[p,1]F~・(−ds~)=−∫[p,1]F~・(ds~)


 Pから1までいく間になされる仕事は−U(1)であり、Pから2までいく間にな
される仕事は−U(2)である。よって、1から2までの積分は+U(1)−U(2)

   U(1)=−∫[P,1]F~・ds、U(2)=−∫[P,2]F~・ds、


   ∫[1,2]F~・ds~=U(1)−U(2)


・U(1)−U(2)は位置のエネルギーの差と称せられる量で、Uを位置エネルギー
という

・物体がPの位置にあるならば、位置のエネルギーはゼロ


・一つの力によって一つの粒子になされる仕事は、その運動エネルギーの変化に
等しい

・数学的に、保存力については、なされる仕事は位置のエネルギーと称する関数の
変化にマイナスをつけたもの

 ⇒保存力だけしか働いていないならば、運動のエネルギーTたす
  位置のエネルギーUは一定である

   T+U=一定


・力という概念は量子力学にはうまくなじまない

量子力学でもっとも自然な概念はエネルギー


14-4 非保存力

・非保存力というものはない

・自然界における基本的な力はすべて保存力である

・全世界内の位置のエネルギーたす運動エネルギーは一定であるが、それはこの
世界が孤立したものであって、外力が働かない場合


14-5 ポテンシャルと場

・AとBという大きな物体があり、別に非常に小さい物体があるとし、それが
二つの物体から引力を受けていて、その合力がF~であるとする。

 一つの粒子にはたらく引力は、その質量mにベクトルC~をかけたものであらわ
すことができ、このC~は粒子の位置により決まる

   F~=mC~


 引力を考えるときには、空間のあらゆるところにC~というベクトルがあり、
それがその場所にある質量にはたらくと考えることができる。


・C~には3成分あり、その成分は位置(x、y、z)の関数

・AとBという物体が場をつくる、ベクトルC~をつくるという


<ポテンシャルΨ>
・空間の(x、y、z)にある一つの物体の位置エネルギーは、ある関数をmに
かけたものと書くことが出来る

・この関数のことをポテンシャルΨという

・∫F~・ds~=−Uであるように、∫C~・ds~=−Ψである

   U=−∫F~・ds~=−m∫C~・ds~=mΨ


・空間のあらゆる点でΨ(x、y、z)が与えれれていれば、物体がどの点に
あっても、その位置のエネルギーをすぐに計算することができる。

   U(x、y、z)=mΨ(x、y、z)


・C~のある成分を計算するよりはΨを計算するほがやさしい

・ポテンシャルはスカラーであり、方向にかまわずに単に加えればよいから


・物体を微小距離Δxだけ動かすと、力が物体にする仕事はΔxが十分小さい
として、力のx成分かけるΔxであり、これは点1から他の点へいく間の位置の
エネルギーの変化に等しくなければならない

   ΔW=−ΔU=FxΔx


 Δxでわると、力は

   Fx=−ΔU/Δx


 x方向の力は、xに関するUの偏微分係数に負号をつけたものである

   Fx=−∂U/∂x


 同様に、y、z方向の力は

   Fy=−∂U/∂y

   Fz=−∂U/∂z


偏微分係数∂:∂U/∂xはxについての偏微分を表す)


・ポテンシャルから場を求めるのも同じことである。

   Cx=−∂Ψ/∂x、Cy=−∂Ψ/∂y、Cz=−∂Ψ/∂z


・grad、gradient

・C~は一つのベクトルであり、x、y、z成分をもつので∂/∂x、∂/∂y、
∂/∂zという符号もベクトルのようなもの

・gradのx成分は∂/∂x、y成分は∂/∂y、z成分は∂/∂z

   F~=−∇U、C~=∇Ψ


・場とポテンシャルのもう一つの例は電気の場合

・静止している物体にはたらく力は、電荷かける場であり、F~=qE

・力のx成分の一部分は磁場に関係するが、粒子に働く磁場の力は粒子の速度に
直角、かつ場に直角であり、運動している電荷にはたらく磁気の力は速度に直角
であるから、それに対しては磁気は仕事をしない


・引力の場合と同様、エネルギー又はなされた仕事を求め、量φを計算する

・任意の固定点から、いま問題としている点までE~・ds~を積分して負号をつけ
たもので、電場におけるエネルギーは、電荷にこの量φをかければよい

   φ(r)=−E~・ds~、

   U=qφ


・2枚の平行な金属板を考え、それぞれ単位面積あたりに±σの表面電荷がある
とする

・両板の外側では外力はゼロ、両板の間には一定の電場があって、+から―へ
向かい大きさはσ/ε0

・ひとつの電荷を一方の板から他の板に動かす間になされる仕事は(力~)・(ds~)
積分で、これは電荷かける板(1)のポテンシャルひく板(2)のポテンシャルである

   W=∫[1,2]F~・ds~=q(φ1−φ2)


 二つの板の間の距離をdとすれば

   ∫[1,2]F~・ds~=(qσ/ε0)∫[1,2]dx=qσd/ε0


・ポテンシャルの差、⊿φ=σd/ε0は電位差で、φはボルトで測る。