- 作者: ファインマン,宮島龍興
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1986/01/08
- メディア: 単行本
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第2章 ベクトル場の微分 メモ
2-1 物理学を理解するには
・法則を表す正確な唯一の方法は、微分方程式を使う方法
2-2 スカラー場とベクトル場;Tとh~
<ベクトル代数>
A~・B~=スカラー=AxBx+AyBy+AzBz (2.1)
A~×B~=ベクトル、 (2.2)
(A~×B~)z=AxBy−AyBx、
(A~×B~)x=AyBz−AzBy、
(A~×B~)y=AzBx−AxBzA~×A~=0 (2.3)
A~・(A~×B~)=0 (2.4)
A~・(B~×C~)=(A~×B~)・C (2.5)
A~×(B~×C~)=B~(A~・C~)−C(A~・B~) (2.6)
⊿f(x、y、z)=(∂f/∂x)⊿x+(∂f/∂y)⊿y+(∂f/∂z)⊿z (2.7)
∂^2f/∂x∂y=∂^2f/∂y∂x (2.8)
・一番簡単な物理的な場はスカラー場
・スカラー場:各点に一つの数(スカラー)が決められている場を意味する
・ベクトル場:空間の各点に一つのベクトルが決まっていて、ベクトルは点から
点へ変わる
・熱の流れは方向性の量であり、h~と呼ぶ
面素⊿aを通り単位時間あたりに通る熱エネルギーを⊿Jとするとh~=(⊿J/⊿a)ef (2.9)
・流れに直角な面⊿a1に対して傾いた小さな面⊿a2がある。
単位ベクトルn~は面⊿a2に垂直で、n~とh~の間の角θは二つの面の間の角に
等しい。⊿a2を通る単位面積あたりの熱流は
⊿J/⊿a2=(⊿J/⊿a1)cоsθ=h~・n~
法線n~をもつ任意の面素を通る(単位面積当たり毎秒の)熱流はh~・n~で与え
られる。
2-3 場の微分
・二つの点P1とP2をとり、小さな間隔を⊿R、P1の温度をT1、P2の温度を
T2とし、その差を⊿T=T1−T2とする。T1=T(x,y,z)、T2=T(x+⊿x,y+⊿y,z+⊿z)と書く。
⊿x、⊿y、⊿zはベクトル⊿R~の成分を表す。⊿T~=(∂T/∂x)⊿x+(∂T/∂y)⊿y+(∂T/∂z)⊿z (2.13)
三つの数
∂T/∂x、∂T/∂y、∂T/∂z
は一つのベクトルのx、y、z成分で、このベクトルを記号∇Tと書く。
gradT=∇T=(∂T/∂x、∂T/∂y、∂T/∂z) (2.14)
⊿T=∇T・⊿R~ (2.15)
この方程式は、近くの2点における温度差はTのgradと、点の間の変位ベクトル
とのスカラー積に等しいことを表す。
2-4 演算子
・gradTまたは∇Tがベクトルであるという議論は、どういうスカラー場を微分
するかには無関係で、Tの代わりにどんなスカラー場であってもすべての議論は
同じ・微分演算子自身がベクトル成分と同様に変換されるので、ベクトル演算子という
∇=(∂/∂x,∂/∂y,∂/∂z) (2.28)
∇x=∂/∂x, ∇y=∂/∂y, ∇z=∂/∂z (2.29)
・微分する相手を∇の右におく
・∇Tの方向はそれば最大値をとる方向であり、Tが一番はやく変化する方向
・Tのgradは一番大きい上り坂の方向(Tについて)
2-5 ∇を使う演算
・「∇・(ベクトル)」の形のスカラーは発散、div(divergence)とよばれる。
∇・h~=div h~=”h~の発散” (2.36)
・∇×h~
(∇×h~)z=∇xhy−∇yhx=∂hy/∂x−∂hx/∂y (2.38)
(∇×h~)x=∇yhz−∇zhy=∂hz/∂y−∂hy/∂z (2.39)
(∇×h~)y=∇zhx−∇xhz=∂hx/∂z−∂hz/∂x (2.40)
・結合∇xh~は”h~の回転curl”といわれる
・∇の3種の組み合わせ
∇T=grad T=ベクトル
∇・h~=div h~=スカラー
∇×h~=curl h~=ベクトル
・マクスウェルの方程式
(1) ∇・E~=ρ/ε0
(2) ∇×E~=−∂B~/∂t (2.41)
(3) ∇・B~=0
(4) c^2∇×B~=∂E~/∂t+j~/ε0
2-7 ベクトル場の2階微分
(a) ∇・(∇T)=∇^2T=スカラー場
(b) ∇×(∇T)=0
(c) ∇(∇・h~)=ベクトル場 (2.59)
(d) ∇・(∇×h~)=0
(e) ∇×(∇×h~)=∇(∇・h~)−∇^2h~
(f) (∇・∇)h~=∇^2h~=ベクトル場