
- 作者: ファインマン,宮島龍興
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1986/01/08
- メディア: 単行本
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第19章 真空中のマクスウェル方程式の解 メモ
19-1 真空中の波;平面波
・マクスウェル方程式のもつ物理はスカラーとベクトルのポテンシャルを満たす
二つの微分方程式によってあらわされる∇^2φ−(1/c^2)∂^2φ/∂t^2=−ρ/ε0 (19.4)
∇^2A~−(1/c^2)∂^2A~/∂t^2=−j~/ε0c^2 (19.5)
ここでρもj~も0とすると
∇^2φ−(1/c^2)∂^2φ/∂t^2=0 (19.6)
∇^2A~−(1/c^2)∂^2A~/∂t^2=0 (19.7)
自由空間ではスカラーポテンシャルφもベクトルポテンシャルA~のどの成分も
同じ数式をみたす。φ、Ax、Ay,Azのどれもψで代表するとする。3次元の波動方程式
∇^2ψ−(1/c^2)∂^2ψ/∂t^2=0 (19.8)
ψは一般にx、y、zの関数であり、3個の座標についての変化を考えなくては
ならいから3次元である。ラプラス演算子の三つの項を書き下ろすと∂^2ψ/∂x^2+∂^2ψ/∂y^2+∂^2ψ/∂z^2
−(1/c^2)∂^2ψ/∂t^2=0 (19.9)
自由空間ではE~もB~も波動方程式をみたす。
B~=∇~×A~なのでcurlをとればB~の微分方程式になる。ラプラス記号は
スカラー演算子なので、ラプラス演算子とcurl演算子とは交換できる。∇~×(∇^2A~)=∇^2(∇~×A~)=∇~2B~
∇×(1/c~2)∂^2A~/∂t~2=(1/c^2)∂^2/∂t^2(∇~×A~)
=(1/c^2)∂^2B~/∂t~2
これらより、B~に対して次の微分方程式を得る。
∇^2B~−(1/c^2)∂^2B~/∂t^2=0 (19.10)
従って磁場B~の成分はどれも3次元波動方程式をみたす。
E~=−∇φ−∂A~/∂tを使うと、電場E~も自遊空間内で3次元波動方程式を
みたす。∇^2E~−(1/c^2)∂^2E~/∂t^2=0 (19.11)