ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

偉大なる宇宙の物語

ローレンス・クラウス 「偉大なる宇宙の物語」メモ

偉大なる宇宙の物語 ―なぜ私たちはここにいるのか?―

偉大なる宇宙の物語 ―なぜ私たちはここにいるのか?―

 

ローレンス・クラウス 「偉大なる宇宙の物語」メモ

 

第18章 霧が晴れる

中性子が陽子とニュートリノに変わるのに必要とされた電荷を持つ粒子のほかに、別の中性の粒子がある。
・電子とニュートリノにとってだけでなく、陽子と中性子にとっても、新しい中性の粒子の交換によって仲介される、新しい種類の弱い相互作用がある。
・電磁力の場合と同様、相互作用する粒子の種類が変わらない。
・そのうような相互作用は中性カレント相互作用と呼ばれる。
→中性カレント相互作用は実験的に実証され、グラショウ、ワインバーグ、サラムの説の正しさが証明された。


ニュートリノ散乱における中性カレントの存在は、Z粒子が存在する考えが正しいことの証明であったが、弱い相互作用がグラショウ、ワインバーグ、サラムの提案どおりのもので、電磁相互作用と統一されてかまわないことは保証しない。
弱い相互作用と電磁相互作用の両方に関わる粒子(電子)を使った実験が必要。


・さまざまなターゲットからの偏極電子の散乱を綿密に測定。
・電子散乱における対称性の破れの度合いは、弱い相互作用と電磁相互作用が統一理論で混ざり合う度合いを反映する。
→実験結果は理論の予言と一致した。


・自然界の4つの力のうちの二つが、ゲージ不変性というひとつの対称性にもとづいて統一された。


強い相互作用は、電弱理論が成立したあとも、これを説明しようとする試みをはねつけていた。
・ゲージ対称性の自発的破れを介しての強い核力の説明は、いずれも実験の試練に耐えられていなかった。


第19章 ついに自由に

・陽子や中性子など、観測されている強く相互作用粒子はすべて、もっと基礎的な要素、クォークで構成されている。
加速器実験や宇宙線実験で自由クォークが観測されてことは一度もなかった。


・強く相互作用する粒子がすべてクォークでできているなら、クォークそれ自体も強く相互作用するはず。
・なぜ陽子や中性子の中にあるクォークは互いと相互作用せず、ほとんど自由であるように見えるのか?


・強く相互作用する粒子がクォークでできたいて、それが電子と同様のフェルミオンであれば、ゲル=マンが提案分類は、クォークが何らかの新しいヤン=ミルズ的ゲージ荷量を持つ場合にしか成り立たない。
クォークが新しい一連のゲージボソンを通じて強く相互作用しているとうこであり、そのゲージボソングルーオンと呼ばれた。
グルーオンはどこにあるのか、クォークはどこにあるのか。


・陽子と中性子弱い相互作用をするので、これらの粒子がクォークでできているなら、クォーク強い相互作用だけでなく弱い相互作用をすることになる。
・三種類のクォークが強く相互さようする粒子を構成
 (アップ(u)、ダウン(d)、ストレンジ(s))
・sクォークを含む粒子はdクォークを含む粒子に崩壊できる。
 →実験と不一致
・チャーム(c)クォークが存在すれば、sクォークからdクォークへの変換率の計算に数学的相殺が起こり、ストレンジネスの変化する中性カレントが抑制され、実験と一致する。

・この考え方は、弱い力に関連してペアで存在する粒子とクォークのあいだに、格好の対称性を示唆した。
・電子ーニュートリノ、ミュー粒子ーニュートリノアップクォークダウンクォーク、チャームクォークーストレンジクォーク


・粒子の電荷の強さは、その粒子を取り巻く仮想の粒子と反粒子の雲のせいで、粒子を探るときのスケールが小さくなるほどに大きくなる。
強い相互作用を基礎的な場の量子論で記述しようとすれば、陽子の構成要素の強い相互作用は、小さな距離スケールではゼロになる。
→漸近的自由性


・ヤン=ミルズ理論は漸近的自由性を持っているだけでなく、漸近的自由性を示す唯一の理論。
・ヤン=ミルズ荷を帯びた粒子、クォークを手に持っているとすると、その荷量のまわりの真空からクォークと反クォークが現れ、その荷量を遮蔽する。
グルーオンも真空から飛び出てきて、磁石のようにふるまうので、最初のクォークが生じさせた場の方向に沿って一列に並ぼうとする。
・場の強さが高まり、さらに多くのグルーオンが真空から現れて、さらに場の強さを高める。
・結果として、仮想グルーオンの雲の中に潜れば潜るほど(クォークに近づくほど)場の強さは弱まって見える。


量子色力学(QCD)>
素粒子の観測されている性質をゲル=マンのクォーク仮説で説明するのに必要となるヤン=ミルズ理論。
・各クォークが赤、緑、青の三種類の荷量のうちのどれかを持つ。
・この理論がクォーク強い相互作用を説明するもの。


<閉じこめ>
・自由クォークグルーオンが新しいクォークと反クォークに結合するため、結果として自由クォークグルーオンは観測されることがない。
クォークグルーオンがつねに陽子や中性子のような強く相互作用する粒子の内部に閉じこめられていて、そこから脱出できる唯一の課程は、新たに生み出された強く相互作用する粒子にまた閉じこめられることでしかない。


・観測可能なあらゆるものの力学的ふるまいを支配する、あらゆる力の根底にあるのが、ゲージ対称性と呼ばれる数学的枠組み。