ジェレミー・シーゲル 「株式投資の未来」メモ
- 作者: ジェレミー・シーゲル,瑞穂のりこ
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2005/11/23
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 27回
- この商品を含むブログ (36件) を見る
第1部 「成長の罠」を暴く
第3章 時に裏打ちされた価値 黄金銘柄(コーポレート・エルドラド)を探して
<黄金銘柄ー運用成績ナンバーワン>
・株式投資の黄金銘柄は、かなりの数で存在する。
・1957年2月28日、S&P500のインデックス・ファンドを1000ドル買い、配当をすべて再投資に回したなら、2003年12月31日、当初の1000ドルは約12万5000ドルになっている。
・S&P500の当初銘柄のうち最高の運用成績を達成した、ある1銘柄だけを買っていたら、おなじ1000ドルが約460万ドルになっている。
↓
・答えは「フィリップ・モリス」
・資本市場では、企業にとっての悪材料が、投資家にとって好材料に転じることがある。
・フィリップ・モリスの場合、だれもが買いを控え、危険な製品「タバコ」の製造者として巨額の賠償金支払いを命じられ、破綻の噂もあった。
・人気が離散した結果、株価が下がり、辛抱強く保有し続けた投資家のリターンは押し上げられた。
・株価が低く、利益が高水準なため、フィリッップ・モリスの配当利回りは市場で高水準にある。・低期待、高成長率、高配当利回りが噛み合い、リターンが加速した。
<S&P500生き残りの運用成績ナンバーワン>
・生活必需品メーカーと大手の製薬会社
・強力なブランドを持つ企業
フィリップ・モリス
スウィーツ・カンパニー・オブ・アメリカ
コカ・コーラ
ペプシコ
ウィリアム・リグレー・ジュニア・カンパニー
ハーシー・フーズ
ハインツ
コルゲート・パルモライブ
プロクター&ギャンブル
等々・医薬品会社
アボット・ラボラトリーズ
ブリストル・マイヤーズ・スクイブ
ファイザー
メルク
シェリング
アメリカン・ホーム・プロダクツ<黄金銘柄を探してー投資家リターンの基本原則>
・株式の長期的なリターンは増益率そのものではなく、実際の増益率と投資家の期待との格差で決まる。
・成長率が高い銘柄は株価も高くなり、高い株価は将来のリターンを押し下げる。
・成長期待が低い銘柄は株価が極端に下がり、低成長でもきわめて良好なリターンをもたらすことがある。
・期待度を測る最良の指標は「株価収益率(PER)」。
・PERが高いグループは、全体に市場から過大評価され、将来のリターンが低くなる。
・投資家リターンの基本原則は、株式が配当を生むとき、効果が増加する。
・配当利回りが高いければ、株式をたくさん買い増すことができる。
<投資家のための教訓>
・黄金銘柄に支払う対価は、PERで20倍から30倍までが妥当。
・最高の運用成績を上げてきたのは、生活必需品と医薬品のセクターで、強力なブランドを築き上げてきた企業。
・株主の手にするリターンは、企業の実際の増益率と、投資家の期待するそれとの格差で決まる。この格差がもたらす力は、配当を通じてさらに増幅される。
・運用成績が高い企業の条件
①PERが市場平均をわずかに上回る程度。
②配当利回りが市場平均並み。
③長期的な増益率が市場平均を大幅に上回っている。
・優良銘柄には高い対価を払う値打ちがあるが、「いくら払ってでも」買う価値のある銘柄はない。