ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

ワープする宇宙

リサ・ランドール/監訳 向山信治 訳 塩原通緒 「ワープする宇宙」メモ  

リサ・ランドール  監訳 向山信治 訳 塩原通緒

「ワープする宇宙」メモ

 

Ⅰ部 空間の次元と思考の広がり

第3章

閉鎖的なパッセージ ー ブレーン、ブレーンワールド、バルク
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【まとめ】
・ブレーンは力と粒子をとどめておける低次元の面であり、高次元空間の境界をなす。
・高次元世界の全体の空間を「バルク」といい、バルクはあらゆる次元に及び、ブレーン上にも外にも広がる。
・ブレーンワールドは、重力を唯一の媒介として、バルクと相互作用を果たしている。
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<pブレーン>
・一部の次元においてだけ無限に伸びる物体。
アインシュタイン一般相対性理論を使い数学的に導き出した。

<ひも理論のブレーン>
・粒子といっしょに力もつかまえるタイプのブレーン。
・粒子と力も、ブレーンという低次元の面にとらわれている可能性がある。


●スライスとしてのブレーン
・物理学は、私たちを取り巻く三次元空間が高次元世界の三次元スライスでありうると考えている。
・ブレーンは空間の一枚の(おそらく多次元の)スライスに沿った方向にだけ広がっている、 時空の特殊な領域。
・あるブレーンは空間の内部にある「スライス」だが、別のブレーンは、空間の境界をなす「 スライス」である。


・ブレーンという領域では、それが取り巻く、あるいはそれが境界をなす全体の高次元空間よりも次元の数が少ない。
・膜の次元は二つだが、ブレーンの次元の数はいくつにもなりうる。
・我々にもっとも重要なブレーンの空間次元は三次元だが、「ブレーン」という言葉はこの種の「スライス」すべてを指す。
・あるブレーンの空間次元は三つだが、別にブレーンにはもっと多く(少ない)次元がある。


●境界をなすブレーンと埋め込まれたブレーン
余剰次元が見えない理由は、小さく余剰次元が丸まるから。
余剰次元が丸まっていることは、余剰次元が見えない理由ではない。
・次元は丸まっていずに、ある有限の範囲内で終わっているのでは?


・有限の範囲には、境界条件が必要。
 →その境界に達した粒子やエネルギーがどうなるのか。
・それらは、ブレーンにぶつかる。
・高次元世界では、ブレーンが高次元空間全体の境界をなす。
・この全体の空間を「バルク」という。
・バルクは全方向に伸びている。
・バルクはあらゆる次元に及び、ブレーン上にも外にも広がる。
・ブレーンがバルクのある方向での境界をなしているとすれば、そのバルクのいくつかの次元はブレーンと平行で、別の次元はブレーンから飛び出す。
・ブレーンが境界であるなら、ブレーンから離れていく方向の次元は片側だけに伸びる。


・断面が正方形の無限に細長いパイプを考える。
・このパイプ内部には三つの次元がある。
 ①長い次元が一つ
 ②短い次元が二つ
・このパイプはまっすぐに伸びた無限に長い壁を四つもつ。
・三つの次元のうち、二つは両側の壁が境界となり、もう一つは無限に長く伸びている。


・このパイプがブレーンを境界とする宇宙だとすると、ブレーンは二次元で、粒子などのエネルギーを帯びられるものがそこに突き当たったとき、そのふるまいを決定するもの。
・物体が、境界をなすブレーンに到達すると、それは跳ね返る。
 →反射境界条件
・物体がブレーンから跳ね返っても、エネルギーは失われない。
・ブレーンに吸収されたり、漏れ出したりもしない。
・なにものもブレーンの先へは進まない。
・境界をなすブレーンは、文字どおり「世界の終わり」。


・多次元宇宙では、パイプ宇宙の境界をなしていた壁の役割をブレーンが果たす。
・この種のブレーンも全体の空間より次元の数が少ない。
・境界はつねに、それが境界をなすものより次元の数が少ない。
・ブレーンはつねにバルクの端にあるわけではない。
・ブレーンは空間のどこにも存在しうる。
・境界から離れ、空間の内部のどこかにブレーンが存在している可能性もある。
・境界をなさないブレーンは、その両側に高次元のバルク空間を伴う。


●ブレーンにとらわれて
・ブレーンは、ものを低次元の面につかまえたまま放さない。
・ブレーンがあると考えると、すべての物質が自由にどこへでも移動できるわけではない。
・粒子やひもも、高次元世界の内部にある三次元ブレーンに閉じこめられているのかもしれない。
・ブレーンは恣意的なものでなはなく、高次元世界の自然法則に従う。
・ブレーンに閉じこめられた粒子は、物理法則により完全にそのブレーンにとらわれている。
・ブレーンに拘束された物体は、そのブレーンの外に伸びる余剰次元には飛び出さない。
・一部の粒子は自由にバルク内を移動できるかもしれない。
・ブレーンを含めた理論では、ブレーン上の粒子という概念が重要。
・ブレーン上の粒子は、あらゆる次元を動き回ることはない。


・ブレーンとバルクの次元の数はいくつにもなりうる。
・ブレーンがバルクよりも多くの次元をもつことはない。
・ブレーンに閉じこめられた粒子が移動できる次元の数が「ブレーンの次元」。
・ブレーンにとらわれた力は、同じブレーン上に閉じこめられた粒子にしか影響を与えない。


・重力はブレーンに閉じこめられない。
一般相対性理論によれば、重力は時空構造に織り込まれている。
 →重力は空間のいたるところで、どの方向にでも働くはず。
・重力はブレーン上でもブレーン外でも、どこでも自由にふるまえる。
・ブレーンワールドは、重力を唯一の媒介として、バルクと相互作用を果たしている。
・ブレーンワールドはつねに余剰次元とつながっている。
・ブレーンワールドは孤立して存在するのではなく、もっと大きな全体の一部として、そこと相互作用を果たしている。
・バルクには重力以外の粒子や力が存在している。
・それらの粒子もブレーン上に閉じこめられた粒子と相互作用を果たし、ブレーンにとらわれた粒子を高次元のバルクに結びつける。


まとめ
・ブレーンは力と粒子をとどめておける低次元の面であり、高次元空間の境界をなす。


●ブレーンワールドーブレーンのジャングルジムの青写真
・我々の宇宙は余剰次元の海に浮かぶ三次元ブレーンに収容されている可能性がある。
・ブレーンワールドのシナリオには、たいてい二枚以上のブレーンが含まれる。
・二枚以上のブレーンを想定する理論をさして「マルチバース(多重宇宙)」という呼び方をすることがある。
・この言葉は一般には、ある部分と別の部分が相互作用をしない、あるいは弱くしか相互作用しない宇宙をさすのに用いられる。
・二枚以上あるブレーンのあいだに重力以外に共通する力が何もない状況で、その両方を収容している宇宙をマルチバースと呼ぶ。