- 作者: ファインマン,宮島龍興
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1986/01/08
- メディア: 単行本
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第12章 静電アナログ メモ
12-1 方程式が同じなら解も同じ
・多くの異なった物理的事情に対し、方程式は正確に同じ形をしている。
静電気学の方程式
∇・(κE~)=ρ自由/ε0 (12.1)
∇×E~=0 (12.2)
数学的形式で表すと
E~=−∇φ (12.3)
∇・(κ∇φ)=−ρ自由/ε0 (12.4)
・静電気で知ったことはそのまま他の問題に移され、逆も正しい。
12-2 熱の流れ;無限の平面境界の近くの点源
・熱の流れをベクトルh~で表す。
・h~のdivは領域から出て行く熱の単位体積あたりの割合を表す
∇・h~=単位体積あたりの出て行く熱の割合
熱の源から発生する単位時間、単位体積あたりの熱量をsとし、
定常な熱の流れを問題にすると∇・h~=s (12.6)
熱流ベクトルは温度のgradに比例する。比例定数Kは物質の性質を表し、熱伝導率
といわれる。h~=−K∇T (12.7)
場所により物質の性質が変わっていると、K=K(x、y、z)は場所の関数。
(12.7)を(12.6)に代入すると∇・(K∇T)=−s (12.8)
これは(12.4)と正確に同じ形をしている。定常熱流と静電気の問題は同じである。
熱流ベクトルh~はE~に、温度Tはφに対応する。
一般に、静熱問題は静電問題と同様に解かれる。