- 作者: アンソニージー,杉山滋郎,木原英逸,佐々木光俊
- 出版社/メーカー: 白揚社
- 発売日: 1989/12/01
- メディア: 単行本
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第5章 うまい考え メモ
○実在の普遍的構造
・ローレンツ不変の力学的体系
・ローレンツ不変の重力理論・相対性はそれ自体が理論なのではなく、物理学の理論が充たすべき要請
・アインシュタインの研究の核心は、異なる観測者たちも物理的実在の同一の構造を知覚せざるをえないこと、不変性という真理を抽出することができること。
○もっとうまい考え、そしてあの沈みゆく感覚
・地球のように質量の大きい物体はその周囲に重力場を作り出す
それと別の質量を持つ物体は、この場を感じとって反応する。・F=ma
ニュートンは物体がなぜ同じ速さで落下するのかという問題を、重力はなぜ質量に比例するのかという問題に還元した。
・等価原理
十分小さい空間領域において、ある観測者が重力場に因ると知覚する物理的効果は、一定の割合で加速している別の観測者が報告する、重力場のないところでの物理的効果と区別できない。・加速度は、重力場の中にいると思わせるように人をだますこができる。
・等価原理は、重力場の大きさと方向が一様であるような領域においてのみ成り立つ。
○一般共変性
・時空間を、それぞれの内部では重力場が一定であると見なせるほどの小さな領域に分割する。
・ある任意の重力場があるときの物理法則を研究する場合、重力のないときの物理法則を研究し、その後に一般座標変換を行えばよい。
・物理法則は一般座標変換に対して構造的形式を保存しなければならない
→「一般共変原理」・一般共変原理を採用すると、限られた範囲の理論だけを考察すればよい。
○微妙な違い
・ローレンツ不変性
おたがいに一様に運動する二人の観測者は同一の物理的事実を知覚する・一般共変性
加速している観測者は、自分が経験する物理的事実と加速していない観測者が経験する物理的事実との間の違いを、重力場によるものとして解釈することができる・一般共変性は、重力の本性を述べたもの
○重力の理論
・重力はとても弱いので、重力場の中で運動する物体の動力学と区別して、重力場の動力学を直接に実験的に検証することができない。・一般共変性を課すことで、ただちに可能性のあるものが絞られる
・可能性があるものが同等であれば、もっとも簡単なものを採用する
○曲がった時間と空間
・物理学においては、時空の任意の二点間の固有の距離は、一方の地点から他方の地点へ旅行者が体験する固有の時間でのみ表される。・等価原理によれば、重力中の観測者にとっての物理法則は、いかなる重力場もないところで加速する観測者の物理法則と同じ。
・加速している観測者は別の固有時を体験する。
重力場の存在により、時空内のさまざまな点の相対的な位置が変わる
→重力場が時空をねじ曲げている
○光の屈曲
・ユークリッド幾何学では、二点間の最短距離は直線
任意の曲がった空間に対し、直線の概念を定義することはできない・遠くの星からわれわれに向かって飛んでくる光子は、太陽の重力場の中を通るとき曲がった経路を採らざるをえない
○歪んだ時間
・重力は時間を歪める
・重力場の中の二つの点、たとえば塔の下部と頂上では時が違う速さで進む