ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

サピエンス全史

ユヴァル・ノア・ハラリ 「サピエンス全史」メモ 

サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福

 

 ユヴァル・ノア・ハラリ 「サピエンス全史」メモ

第4部 科学革命

第18章 国家と市場経済がもたらした世界平和

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【まとめ】
産業革命による最大の社会変革は、家族・地域コミュニティの崩壊および、それに代わる国家と市場の台頭で、家族・コミュニティが果たした役割は、国家と市場の手に移った。
・この70年は、人類史上最も平和な時代で、その要因は以下の4つ。

 ①戦争の代償の拡大(核戦争は集団自殺)。

 ②戦争で得られる利益の減少(富は技術的ノウハウ、社会組織から成り、戦争で奪うのは困難)。

 ③平和がもららす大きな利益。

 ④グローバルな政治文化の構造的転換(戦争は悪)。
・四つの要因間には正のフィードバック・ループが形成され、グローバルな帝国は、その領域内の平和を強化し、実質的に世界平和を推進することになる。
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産業革命により、人類はおおむね周囲の生態系に依存しなくて済むようになった。
ホモ・サピエンスの必要性に応じて世界が造り替えられるにつれ、動植物の生息環境は破壊され、多くの種が絶滅した。
・生態系の悪化は、資源不足とは違う。
・生態系悪化の懸念は根拠がある。
・残っている自然の生息環境を破壊し、他の生物の大多数を絶滅に追いやるかもしれない。
・この過程は自然破壊ではなく、変更。自然は破壊できない。


●近代の時間
産業革命により、伝統的な農業のリズムが画一的で正確な産業活動のスケジュールに置き換わった。
・伝統的農業:自然の時間のサイクルと動植物本来の生育サイクルに依存
・近代産業 :正確さと画一性を神聖視
産業革命により、時間表と製造ラインは、人間のほぼあらゆる活動の定型になった。
・時間表制の普及に欠かせなかったのが、公共交通機関


産業革命による最大の社会変革
→家族と地域コミュニティの崩壊および、それに代わる国家と市場の台頭。
・伝統的に家族やコミュニティが果たしてきた役割の大部分は、国家と市場の手に移った。


・国家と市場は、「個人」の生みの親であり、この親のおかげで個人は生きてゆける。
・個人の解放には犠牲が伴う。
・孤立した個人から成る国家や市場は、強い絆で結ばれた家族とコミュニティから成る国家や市場よりもたやすく、その成員の生活に介入可能。
・二世紀の間に私たちが疎外された個人になったのは、文化の驚異的な力。


・近代社会の唯一の特徴は、その絶え間のない変化。
・旧来の世界を打破し、それに代わるより良い世界を構築するという約束。


・この70年は、人類史上最も平和に時代。
・歴史の構造プレートは移動しているが、火山はおおむね静穏を保っている。
・ほとんどの人は、自分がいかに平和な時代に生きているか実感していない。
・暴力の減少は主に、国家の台頭のおかげ。


・1945年以降、国家間の武力紛争がかつてないほど減少している。
・1945年以降、帝国の大半は、平和的な早期撤退を選択してきた。
・1945年以降、少数の例外を除き、世界の国々は、征服・併合を目的として他国へ侵攻することはなくなった。


・平和が広まった要因
①戦争の代償が劇的に大きくなった。
 核兵器により、超大国間の戦争は集団自殺に等しいものになった
②戦争で得られる利益が減少した。
 富は主に人的資源や技術的ノウハウ、複合的な社会組織から成るため、そうした富を奪ったり、自国の領土に併合するのは困難
③平和からはこれまでにないほどの利益があがるようになった。
④グローバルな政治文化の構造的転換がおきた。
 現代は、平和を愛するエリート層が世界を治める時代。戦争は悪であり、回避できると信じている。


・四つの要因の間には、正のフィードバック・ループが形成されている。
・国際関係が緊密になると、多くの国の独立性が弱まり、どこかの国が単独で戦争を仕掛ける公算が低下する。
・もはや単独では国として成り立ちえない。


・グローバルな帝国は、その領域内の平和を強化する。
・世界帝国は、実質的に世界平和を推進することになる。