エルサ・パンチローリ 著 的場和之 訳「哺乳類前史」メモ
エルサ・パンチローリ 著 的場和之 訳
「哺乳類前史」メモ第1章 霧とラグーンの島
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【まとめ】
・中生代の哺乳類は、恐竜全盛の時代にあり概して小さかったが、進化の軌跡のなかで隅に追いやられていたわけではなく、イノベーションを生み出していた。
・先史時代のある時期に体が小さかったのは、長く複雑な進化の叙事詩から抜き出した一節でしかない。
・現代の生態系の誕生の鍵を握り、完全植物食や超肉食といった、新らしい生活様式をいち早く獲得した古代生物でもあった。
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・中生代の哺乳類は、恐竜全盛の時代にあり概して小さかった。
・彼らは進化の軌跡のなかで隅に追いやられていたわけではなく、イノベーションを生み出していた。
・内温性の獲得で好機をものにした。
・先史時代のある時期に体が小さかったのは、長く複雑な進化の叙事詩から抜き出した一節でしかない。
・現代の生態系の誕生の鍵を握り、完全植物食や超肉食といった、新らしい生活様式をいち早く獲得した古代生物でもあった。
第2章 カモノハシは原始的じゃない
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【まとめ】
・現世哺乳類の3主要グループ:有胎盤類、有袋類、単孔類
・現世哺乳類のほとんどは有胎盤類で、それ以外はほぼすべてが有袋類。
・カモノハシとハリモグラだけで構成されるのが単孔類で、唯一の卵を産むグループ。
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・ジュラ紀:スイスとフランスの国境をなすジュラ山脈の石灰岩がその由来。
・石灰岩は、水中で形成される。
・サンゴ、軟体動物、有孔虫といった微小な海棲生物の死骸が、海底に雪のように降り積もり、圧縮されてできる。
・哺乳網(Mammalia):ヒトを含めた乳をつくり出す動物からなる分類群・現世哺乳類の3主要グループ
有胎盤類
有袋類
単孔類
・ヒトは有胎盤類に属し、子宮内で胎児を育て、胎盤を通じて栄養補給する。
・有袋類にも胎児が子宮にいるうちは胎盤があるが、新生児は早く生まれ、育児嚢のなかで成長を完了する。
・現世哺乳類のほとんどは有胎盤類で、それ以外はほぼすべてが有袋類。
・カモノハシとハリモグラだけで構成されるのが単孔類で、唯一の卵を産むグループ。
・哺乳類のなかでカモノハシとハリモグラだけが卵を産む。
・分類群の名前である単孔目(Monotremata)は、「ひとつの穴」を意味し、排泄、後尾、産卵のための出入口がひとつであることに由来。
・この解剖学的特徴は、哺乳類よりも鳥類や爬虫類の典型。
・こうした特徴の一部は、前期中生代の哺乳類の祖先から受け継いだもの。
・単孔類は、わたしたちと同じように「高等」。
・生きた化石は実際には存在せず、自然淘汰は停滞しない。
・「原始的」や「高等」という概念は、生物学的な意味では存在しない。
・そこにあるのは年月にともなう変化だけ。
・進化に終着駅はなく、生命は改善することも退行することもない。
・動物個体群のなかに自然に生じるランダムな変異のなかで、その時点と環境において、持ち主の生存を助けるものが、その個体群にとりベストな適応。
・今の姿でやっていけるなら、それがどんなものであれ、洗練され「高等」である証拠。
・原生単孔類は遺伝的にも解剖学的にも、ほかの原生哺乳類に劣らず「高等」。・収斂進化:複数の動物の分類群がそれぞれの環境に応じて同様の適応的解決策に行き着く現象