ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

哺乳類前史 起源と進化をめぐる語られざる物語

エルサ・パンチローリ 著 的場和之 訳「哺乳類前史」メモ

 

エルサ・パンチローリ 著  的場和之 訳
「哺乳類前史」メモ

エピローグ ちいさきものたちの勝利
----------------------------------------------------------------------------------
【まとめ】
・「人新世」の大量絶滅を生き残る哺乳類は、小型で巣穴に暮らす、夜行性のジェネラリストで、バトンを握るのはわたしたちヒトではなさそう。
・本当に変化を起こしたいなら、今後30年はロックダウンを続けなければならない。
・人類は世界を破壊しつつあり、絶滅を食い止め生態系を再生させる力も備えているが、このミッションに失敗すれば、世界はネズミとゴキブリのものになる。
----------------------------------------------------------------------------------
・地球規模の大量死に際し有利な条件
 小さい動物
 食料や生息環境にこだわりがない
 繁殖速度が早く地理的分布が広い(生存確率が上がる)


・現在の大量絶滅危機を生き延びるのは誰になるのか?
・ヒト以外の哺乳類は、わたしたちがつくり出す世界でやっていけるのか?


・人類が生み出している状況は、過去の大量絶滅のなかで起こったことと似ている。
二酸化炭素とメタンがもたらす温室効果=2億5200万年前にシベリアの洪水玄武岩により発生したガスの作用
・建築、農業、産業目的の生息地域破壊=6600万年前の小惑星衝突とその余波による、地球規模の植生の破壊
・過去の事態のほうがスケールが大きいが、長い時間をかけて起きた。
・一部の生物が適応する余地があった。
・事態が落ち着けば回復の時が訪れた。


地球温暖化への適応のひとつとして、哺乳類はより夜行性傾向を強めるかもしれない。
・異常高温、オーバーヒート対策。
・今後十年のうち、最高気温が35℃を越える日は3倍に増加すると予測。
・異常高温はすべての動物に差し迫った脅威。


・多くの哺乳類(一部の両生類、魚類、昆虫)は柔軟な行動パターンをもつ。
・季節変化、日内気温変動、干ばつ、補食リスクに応じ、採食時間を変える。
 →時間的柔軟性
・ほとんどの現生哺乳類は夜明けや夕暮れ、夜間に活動。
・夜行性の祖先から受け継いだ乏しい色覚を維持。
・彼らは活動時間を柔軟に変化させ、三畳紀後期の初期哺乳類が利用したニッチに回帰できる。


・気温上昇に伴い、干ばつも頻繁に発生する。
・動物たちは水分維持の課題に直面する。
・体のクールダウンに必要な水やエネルギーを節約できるため、夜行性が有利。


・活動パターンを切り替えられない動物たちは、高緯度、高標高への移住が次善策。
・こうした変化は現実のものとなっている。
・高緯度地域の動物たちは極地へ退避、それ以外の動物たちは山に登りはじめている。
ペルム紀末の大量絶滅のあとに見られたパターンの繰り返し。


・移住は解決策でなく、単なる反応。
・動物たちに事前計画はなく、移住はランダムに起こる。
・動物たちが移住によりプラスの効果を得られる場所は世界の5%にすぎない。


・分布域がもっとも広い種は、気候変動のくじを多く手にし、生存見込みも大。
・ヒトは動物の分散を妨げるたくさんの障壁を築いてきた。
・インフラ(道路、都市環境、フェンス、運河)、改変された環境(農地など)。
・これらは避難場所を求めてさまよう動物たちが本来できるはずの移動を阻害する。
・現在すべての動物種のおよそ半分が分布域を移動させている。
・陸上での移動速度は平均で毎年15km。
・この距離を歩いて人工構造物に出くわさない場所はそう多くない。


・小型動物の生存率が高く、生き延びた大型動物が小型化する現象
 →リリパット効果
・大型動物には凶報。
・酷暑、干ばつは体積に比して表面積が大きい大型動物により悪影響を与え、放熱能力を阻害。
・動物の体重、気温上昇、生息地の喪失、ヒトの人口密度が、種の分布域の縮小と相関する。
・一握りの小型で繁殖速度の速い哺乳類は、分布域を広げていた。
・ブタよりも大きな野生哺乳類にはお別れを言うしかなさそう。
・動物園が最後の砦になる。


・都市生物(ドブネズミ、ハツカネズミ、キツネ、オボッサム、アライグマ)は、同じ種の農村部の集団よりも高密度に生息、一度の産子数が多い。


・海面上昇による哺乳類の絶滅は現実のものとなっている。
・オーストラリア固有の齧歯類:ブランブルケイメロスは2016年、人為的気候変動により絶滅した最初の哺乳類。
・海面上昇と異常気象により、サンゴの環礁にあった生息地は崩れ去った。


・海面上昇による海洋酸性化と貧酸素化が食物連鎖に与える損害は利益をはるかに上回る。
・過去の大量絶滅でも、大型海生捕食者が生き延びた例は少ない。
・海生哺乳類はすでに感染症の増加に直面、異常気象の深刻化に伴い、さらなる蔓延が危惧されている。


・生息域の破壊は、絶滅の原因のなかでもっとも根深いもの。
・植物相の変化は、常にほかの生物に破滅的影響を及ぼしてきた。
・78億人の人工を賄うための、農業目的の土地改革は、生物多様性の喪失の主要因。
・農業生産の70%は食肉関連、膨大な量の水と穀物がつぎ込まれている。
ベジタリアンヴィーガンになることが、世界を救うために個人にできるもっとも有効な手段のひとつである理由。


・すべての哺乳類のうち約60%はヒトが食料として飼育する家畜。
・世界には14億頭のウシ、18億頭のヒツジとヤギ、9億8000万頭のブタが生きている。
・ヒトは地球上のすべての哺乳類の34%を占める。
・ペットのネコは6億頭、イヌは4億7000万頭。
・野生哺乳類はわずか4%。
→地球の生物多様性の観点からは壊滅状態。


・家畜とヒトは3億年にわたる単弓類の進化の叙事詩に添えられた微々たる脚注にすぎない。
・哺乳類の4種に1種が絶滅の危機にある現状は、わたしたちが自分自身の系統を消し去ろうとしている証拠。


・わたしたちは「人新世」、「人類の時代」を生きている。
・この時代の類を見ない特徴が、わたしたち自信すら生きていけない世界の形成。


・哺乳類のみならず、ほかのすべての生物にとり、パンデミックの短期的影響はポジティブなものだった。
パンデミックの最初の1ヶ月間で、中国の二酸化炭素排出量は25%減少。
・2020年末までの年間CO2排出量は、6~8%減にとどまる。
・遅かれ早かれ通常営業に戻る。
・本当に変化を起こしたいなら、今後30年はロックダウンを続けなければならない。


・わたしたちこそが現代の小惑星
・今の大量絶滅において、人類は溶岩流。
・人類は世界を破壊しつつあるが、絶滅を食い止め生態系を再生させる力も備えている。
・このミッションに失敗すれば、世界はネズミとゴキブリのものになる。
・ヒトは現在のディザスター分類群。
・水と食料不足により世界の農業生産が停止すれば、人類も昆虫から栄養を得るようになるかもしれない。


・今日の大量絶滅を生き残る哺乳類は、小型で巣穴に暮らす、夜行性のジェネラリスト。
・この生活様式は過去2億1000万年にわたり実践されてきた。
・危機対応は手慣れたもの。
・生命はいつだってどうにか生き延びる。
・バトンを握るのはわたしたちヒトではなさそう。