ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

サピエンス全史

ユヴァル・ノア・ハラリ 「サピエンス全史」メモ 

サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福

 

 ユヴァル・ノア・ハラリ 「サピエンス全史」メモ

第1部 認知革命

第4章 史上最も危険な種

----------------------------------------------------------------------------------
【まとめ】
・人類は時間をかけて進化することなく、船をつくり、操縦の仕方を会得することで海に適応。
・人類のオーストラリア大陸の到達は、歴史上屈指の重要な出来事
オーストラリア大陸の大型動物相の絶滅はおそらく、ホモ・サピエンスがこの惑星に残した最初の重大な痕跡で、人類は生物史上最も危険な種
----------------------------------------------------------------------------------

 

・認知革命以前には、どの人種もアフロ・ユーラシア大陸(アフリカ大陸とユーラシア大陸を合わせた大陸)で生活していた。
・海は、人類だけでなく、アフロ・ユーラシア大陸の他の動植物の多くがこの「外界」に行き着くのを妨げていた。
・地球は、いくつかの別個の生態系に分かれており、そのそれぞれが、特有の動植物群から成っていた。
→豊かな生物相にホモ・サピエンスが終止符を打とうとしていた。


・サピエンスは認知革命後、アフロ・ユーラシア大陸を抜けだし、「外界」に移住するのに必要な技術・組織力、先見の明を獲得した。
・最初の成果は、4万5千年前のオーストラリア大陸への移住。
・幅100キロメートル以上のものも含む幾多の海峡を越え、到着後はほとんど一夜にして、完全に新しい生態系に適応しなければならなかった。
インドネシアの島々に住んでいたサピエンスが海洋社会を発達させたことで、人類の能力と生活様式に前代未聞の変化がもたらされた?
・人類は、海に入った他のほ乳類のように時間をかけて進化することなく、船をつくり、操縦の仕方を会得することで海に適応した。


・航海の技能は太平洋の南西部に限られず、約3万5千年前に日本、約3万年前に台湾に初めて到達していた。
・人類のオーストラリア大陸の到達は、歴史上屈指の重要な出来事で、コロンブスによるアメリカへの航海、アポロ11号の月面着陸に匹敵する。


・狩猟採集民がオーストラリア大陸に足を踏み入れた瞬間は、ホモ・サピエンスが特定の陸塊で食物連鎖の頂点に立った瞬間であり、以降人類は地球の歴史上最も危険な種となった。
・オーストラリアの征服者は、環境に適応しただけでなく、この大陸の生態系を、元の面影がないほどまで変えた。
・数千年のうちに、体重が50kg以上あるオーストラリア大陸の動物種24種類のうち、23種が絶滅した。


オーストラリア大陸の大型動物相の絶滅はおそらく、ホモ・サピエンスがこの惑星に残した最初の重大な痕跡。
・次の舞台はアメリカ大陸だった。
ホモ・サピエンスは、アメリカ大陸に到達した最初で唯一の人類種。
・およそ1万6千年前、紀元前1万4千年ごろそこに行き着いた。


・紀元前1万2千年ごろ、地球温暖化により氷が解け、アラスカからアメリカへわたる新たな道が開け、人々は大挙して南へ移り、大陸全体に拡がった。
・紀元前1万年までには、人類はアメリカの南の果てに到達した。
・それはホモ・サピエンスの比類のない創意工夫と卓越した適応性の証。


南北アメリカ大陸は、進化の実験が行われていた巨大な研究室であり、アフリカ大陸とアジア大陸では見られない動植物が進化し繁栄してきた。
・サピエンスが来てから2千年以内に、北アメリカは大型哺乳類47属のうち34属を、南アメリカは60属中、50属を失った。


・サピエンス移住の第一波は生態学的惨事をもたらし、それは動物界を見舞った悲劇のうち、とりわけ大規模で短時間で起こった。
・最大の被害者は毛皮で覆われた大型の動物たち。
・認知革命の頃、体重が50kgを越える大型の陸上哺乳動物は200属生息していた。
・農業革命の頃には100属ほどに減った。
・農業革命以降、この生態系の悲劇は規模を縮小して何度も再演された。
→人類は生物史上最も危険な種


・海の大型動物は、認知革命と農業革命の害はあまり受けずに済んだ。
・産業公害と海洋資源の濫用のせいで、海の大型生物の多くが絶滅寸前になっている。
・このままいけば、世界の大型動物のうち、人類の殺到という大洪水を唯一生き延びるのは人類そのものと、家畜だけ。